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レーヴァティン
第百八話 善行がもたらした果報その六

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「あちらですね」
「そうだ、都をだ」
 英雄も智にはっきりとした声で答えた。
「手に入れる」
「そうでござるな」
「ただ勢力が大きいだけだとな」
「この浮島では足りないでござる」
「都を手に入れてだ」
「そしてでござるな」
「そこにある権威も手に入れてだ」 
 そうしてこそというのだ。
「確かなものになる」
「この浮島には朝廷や幕府は存在しないでござるが」
「それでもな」
「はい、帝の方々は神として崇められているでござる」
「そして敬意を集めている」
 神武帝からの敵台の天皇の方々はこちらの世界で神となられているのだ、そして浮島の者達から深く信仰され敬愛されているのだ。
 そこに権威がある、そしてその権威をというのだ。
「それをお護りする立場になってこそだ」
「確かな勢力になり」
「浮島統一もだ」
 それもというのだ。
「真にしたと言える」
「その為にも都を手に入れるべきでござるが」
「そろそろだ」
「時が来たでござるな」
「今伊勢と但馬の国人達が俺達に降ってきている」
 これまで以上にそうなってきている、紀伊での魔物退治の話を聞いて。
「それならだ」
「ここからでござるな」
「伊勢と但馬、そして志摩もだ」
 この国もというのだ。
「完全に手中に収め」
「都のある山城に入るでござるな」
「そのつもりだ、だが」
「だがというと」
「伊勢から伊賀に入られる」
 この国にもというのだ。
「そして伊賀から近江を経てな」
「山城のある都に入られると」
「摂津から向かうと共にだ」
「伊勢、そして伊賀からも」
「都を伺うか」
 こう言うのだった。
「そちらからもな」
「今都は近江を統一し」
「そしてだな」
「山城を牛耳った家がです」
「治めているな」
「ですから」
 良太は英雄に話した。
「都を手に入れようと思えば」
「その時はだな」
「まずはです」
「摂津から向かうだけでなくだな」
「伊勢から攻めることも」
「そちらは陽動でもだな」
「よいかと、伊勢から伊賀これは大和からもですが」
 この国からも伊賀には迎えるのだ。
「非常に険しい山を越えねばなりませんが」
「それでもだな」
「はい、そこから近江に至ることが出来ます」
「敵の本拠地にもな」
「そして都にも」
「そこから陽動や牽制も出来るな」
「だからいいかと」
「そうだな、ではな」
「伊勢からもですね」
「都を伺う、そして都を手に入れたなら」
 英雄はそれで止まるつもりはなかった、何故なら彼の最終的な目標は都ではないからだ。この世界を救うことだからだ。
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