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レーヴァティン
第百八話 善行がもたらした果報その二
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「ではです」
「このままだな」
「来る者は拒まずで」
 それでと言うのだった。
「それでいくでござる」
「これが最善だな」
「はい、そして魔物退治は」
「これからもだな」
「民の為にも」
「行っていく、この紀伊は多いしな」
 他の国に比べてだ、英雄達が今領土としている。
「だからな」
「兵を出してそのうえで」
「倒していく」
 こう言って実際にだった、英雄達は兵達を自ら率いて多くの魔物達を倒して倒していった。そうしてだった。
 紀伊の魔物達を倒していったがここでだった、今度は紀伊和歌山城の城主から使者が来て英雄の本陣で言った。
「殿は決断されました」
「どういった決断だ」
 英雄はその本陣の中で自分の前に膝をつく使者に問うた。
「それは」
「はい、貴方様にです」
 死者は英雄を見据えて答えた。
「降り」
「そうしてか」
「貴方様にお仕えするとです」
「降るというのだな」
「左様です」
 その通りだとだ、使者は英雄に答えた。見れば具足を着けておらず普通の武士の身なりだ。そのうえで英雄達の前にいるのだ。
「貴方様が魔物達を果敢に倒されているのを見て」
「そうか、それでか」
「貴方様ならばと思い」
「それで俺に降ってか」
「国も民もです」
「無事に治めて欲しいというのだな」
「左様です」
 死者は英雄に畏まったまま答えた。
「それが我が殿のお言葉です」
「わかった、ならだ」
 ここまで聞いてだ、英雄は使者に答えた。そのうえで述べた。
「その言葉しかと受けた」
「では」
「主に伝えるのだ、これから頼むとな」
「では」
「俺は来る者を拒まない」
 使者にもこう返した。
「これが返事だ」
「わかりました、それでは」
「これからそちらの城に向かう」
 紀伊和歌山城にというのだ。
「それではな」
「はい、それでは」
「城で会おう」
 こう言ってだ、英雄は使者に彼の主の言葉を受けたことを伝えた。そうして紀伊和歌山城に兵を進めたがここでだった。
 ふとだ、英雄は耕平にこう言われた。
「ちょっと紀伊和歌山城調べたけれどな」
「何があった」
「罠とか毒の用意はな」
「なかったか」
「まあ大丈夫やと思ったけど」
 それでもと言うのだった。
「一応な」
「念には念を入れてだな」
「降ったふりをしてな」
 耕平は英雄に述べた。
「実は、ってこともあるやろ」
「騙し討ちはどの世界でもあるな」
「これは引っ掛かる方があかん」
 騙し討ちについてだ、耕平は英雄に話した。
「確かに汚い策やけどな」
「それでもだな」
「引っ掛かる方がや」
 まさにというのだ。
「あかん、そんなんに引っ掛かる様なら」
「この世界を救うことなぞ無理だな」
「夢のまた夢や」
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