暁 〜小説投稿サイト〜
逆さの砂時計
純粋なお遊び
合縁奇縁のコンサート 21
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そんなモノに引っ掛かってしまった間抜けな自分、よりにもよって幼女に気絶させられた自分があまりにも情けなくて、腹立たしい以上に泣けてくる……そんな顔を見せる青年だが、周囲の子供達に「それ以前の問題だ」と認識されていると知ったら、彼はどうなってしまうのだろうか。
 「わるいひとたち、こんどはちゃんと、げんかんからはいってきてくれるかなぁ……」
 「「いや、それはナイ。」」
 なんとも緊張感に欠ける一言を、マイクとクァイエットが声を揃えて否定する。ミネットはきょとんと瞬いて首を傾けた。
 「なんで?」
 「げんかんからはいってきたら、そのひとはわるいひとじゃないじゃん」
 「あ、そっか!」
 両手をポンと打ち鳴らす幼女。
 「そういう問題でも無いだろ!」
 青年のツッコミが冴える。
 「「げんかんからあいさつしてはいってくるひとは、おきゃくさまだぞ」なんだよ」
 「お前ら、莫迦だろ絶対。正面から襲ってくる奴もいるんだぞ!?」
 「じゃあ、しょうめんからあそべるね!」
 「あそっ……!?」
 「うん! だってこれ、みねっとたちがつかまえるか、わるいひとたちがにげきるか、っていうあそびだよ? ね、まいく!」
 「オレたちのれんせんれんしょーだけどな!」
 「…………まじか…………」
 孤児院を取り巻く環境の異常さは薄々感じ取ってはいたものの、まさか「子供のお遊び」で飛び蹴りを放っていたとは。
 そして、そんなテキトーな感覚であっさり捕まっていたとは。
 想像の斜め上をぶっ飛んでいた事実に、さすがのクァイエットも言葉を失って立ち尽くすしかなかった。
 

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