第二章
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前、ゲシェンクで飯食いたいんじゃねぇんかよ…。」
「主殿、私はもっと多くの料理とやらを食したい!」
目の前のアルモスは、仮染の姿とは言え美少年…それがまるで…。
「まぁ…いいか…。」
諦めたようにそう言うルーファス。悪魔なのだから、欲に忠実で当たり前なのだ。
そこへマルクアーンと入れ替わるようにウイツが入ってきた。彼も鍛えてるだけにそれ程息も上がっておらず、ルーファスの前に来て少し怒った様に再度言った。
「置いてくつもりじゃないだろ?」
「ウイツ、この先はもっと過酷になる。良いんだな?」
「分かっているからこそ、こうして来たんだ。着いてくるなとは言わせないぞ?」
腕を組んで顰めっ面で言うウイツに、ルーファスは少しばかり少年時代のことを思い出す。ウイツもまた、こうと言い出した聞かないのだ…。
「そんじゃ行くか。ミルダーンへ。」
そう言うと、四人はそのまま連れ立ってミルダーンへと向かう。
アリシアは一体、何を望んでいるのだろうか…。そして、最終的にどうなりたいのか…。
「師匠。アリシアさん、この国…と言うより、この世界を憎んでいるんでしょうか?」
「さぁな…。ただ、自分の有り様を認められなかっただけかも知れねぇな…。」
「有り様…ですか?」
「人はどう生まれようと、己の道を切り開く事が出来る。だが、アリア…アリシアにはそれを為す術がなかったんだろう…。」
「........。」
ヴィルベルトは考える。生まれてこなければ良かった…そんな人生を押し付けられたら…と。
「ヴィー、泣いてるのか?」
「泣いてません!ただ…可哀想としか思えなくて。こんなことしたって変わるものじゃないし、何でアリシアさんが悪いことをしなくちゃならなかったのかと考えると…」
「引っ張られんな。今のアリシアは常軌を逸している。これを選択したのも…アリシアだ。」
「けど…これを選ぶしかなかったんじゃ…」
「いや、こんな事する必要はなかった筈だ。あの"ブリュート・シュピーゲル"で証明も出来た筈だからな。」
その言葉に、ヴィルベルトは驚いて師の横顔を見た。
「師匠…妖魔で証明って…。」
「あの妖魔の元になったのは…元皇帝妃だからだ。」
「…!」
それは衝撃の事実と言えた。
先の戦の悍ましさは十分知っていたつもりだった。だが、ヴィルベルトはそれが表面上のものでしかないことを再び認識し…それ以上の悍ましさがあることに愕然とした。
「ヴィー、気にすんな。今あるこれは、過去の亡霊の様なもんだ。今更何一つ変わらねぇ。だから…止める。」
「はい。」
ヴィルベルトは、そう呟くように返事をした。
隣で聞いていたアルモスも口を閉ざしている。マリアーナの亡骸に触れた時、彼は全てを見た筈だが…悪魔であるアルモスでさえ、これを全て言葉
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