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魔術師ルー&ヴィー
第二章
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う呟いたかと思うと…。
「我が主…まさか…!」
 アルモスの顔は硬直を通り越して引き攣り、そして一目散に外へと走り出した。
「打ち砕け!」
 ルーファスのたった一言…その詠唱で大聖堂の天井が砕け、瓦礫となって降り注いだのであった。
「あんた!妖魔よりおっかねぇよっ!」
 アルモスはルーファスに叫ぶ。いくら悪魔でも、具現化した体を潰されればそのまま滅びかねない…。
「ま、これで妖魔はもう湧かねぇだろ?」
 ケロッとそう言うルーファスに、アルモスはこの先の事を考えてへたり込んだ。

ー 俺…死ぬ…。 ー

 元来、悪魔に死の概念は無いが、アルモスは"死"と言うものが恐ろしくなった。
 元仲間…と言っても知らん妖魔らだが、そんな同胞が瓦礫の下敷きになって朽ち果てる様に、アルモスは恐れ慄いたのだ。
 そして、それを何とも思わぬルーファスは…正に魔王のように見えた。
「てめぇ…今、失礼なこと考えただろう?」
「いえいえ、そんな…滅相もありません。」
 ルーファスのキラリと光る目に、アルモスは再び体を硬直させて返した。そんなアルモスに満足し、ルーファスは呪物とされたものを探し始めた。
「ほら、お前も探せ!」
「えっと…何を?」
「核になってたもんだっつぅの!」
 そう怒鳴りつつ、ルーファスはあちこち瓦礫をひっくり返していると、アルモスはスタスタとある場所へと向かい、そこにあった一際大きな瓦礫をものともせず退けて言った。
「主殿、これです。」
 そうして持ち上げて見せたものは…女性と思しきミイラであった。
「そりゃ…人のミイラか?」
「はい。恐らく、死んで半世紀程ではないかと。ここに名が…。」
 そう言ってアルモスはミイラが着けていたであろう帽子をルーファスへと見せ、端に刺繍された名前を指差すや…ルーファスは一気に体を強張らせたのであった。
「私は何かしましたかっ!?」
 ルーファスの反応に驚いて、アルモスは心配になってそう問ったが、ルーファスは「いや、違う。」と返したので、アルモスはホッと胸を撫で下ろした。
「では…どうされたのですか?」
「ああ、この名だが…大賢者の姉の名だ…。」
 そこに刺繍されていたのは、〈M.マルクアーン〉。間違いなく…このミイラはシヴィッラの姉、マリアーネ・マルクアーンである。
 だが何故…マリアーネの亡骸が呪物として使われたのか?
 ルーファスはこれまで見聞きした事を考え合わせてみたが、その理由を導き出せなかった。
「主殿、何を考えておいでで?」
 恐る恐るアルモスがそう聞くと、ルーファスはふと思い付いたように返した。
「アルモス。お前、このミイラが呪物になった経緯を辿れるか?」
「はぁ…出来ますが…。」
「やれ。」
「…はい。」
 アルモスは何だかよく解らないと
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