第二章
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よりも尚、酷い有り様と言えた。人々が玩具のように弄ばれ、壊されている光景は、宛ら地獄そのもののようであった。
その中には、魔術師も神聖術者の姿も見て取れたが、皆屍と成り果て…その屍をも凌辱されている有り様に、ルーファスは愕然とするしかなかった。
対妖魔…先の戦以来、実戦を知る者は少なくなり、直ぐ様対応出来る術者も限られる…。
「…っくしょう!」
ルーファスは奥歯を噛み締め、早くこの災禍を消し去るために走った。
妖魔を葬りながら暫く走ると、その大聖堂は姿を現した。
ルーファスは一度光りの魔術を発動させて妖魔を散らすと、その大聖堂へと入った。以前は水の神を奉ずる美しい聖堂だったようで、そこかしこに聖人の彫刻が配され、蔦を模したレリーフが施されている。
だが、そんな大聖堂も今は、妖魔の巣窟と成り果てており、内部の華麗な彫刻も無惨に破壊し尽くされていた。
ルーファスは直に大元になっている核を探し始めたのだが…如何せん、湧き出し続ける妖魔に手を焼き、流石の彼も身動きが儘ならない…。
そこで、ルーファスはあることを思い付いた。
「彼の地と此の地を繋ぎ、彼の者を此処へ!」
ルーファスがそう言うや…そこにルーファスにしてやられた悪魔アルモスが現れた。
「ちょっ!今まで無視してたくせして、普通ここで呼ぶか!?」
召喚されたアルモスは、いきなり呼び出されたことに腹を立てているようである。
「もう少しで飯時だってのに!」
「お前…食わなくてもいいだろ?」
「いや、なんだ…人の作るものは旨いものだな…。」
「で?」
「何と言うか…はい、何のご用でしょうか?」
ルーファスが般若の形相で睨むため、アルモスは俯いた。
相変わらず妖魔は襲ってくるものの、大妖魔でなくばルーファスからすれば大したことではない。ただ、数が多いのが困りものであり、そこでアルモスに核になっているものを見付け出させようと召喚したのだ。
悪魔は妖魔より格上であるため、大妖魔とて悪魔には傷一つ付けられない。力の差は歴然としているのである。
「核…ですか?それでしたら…。」
ルーファスに核の在り処を聞かれたアルモスは、恐る恐る天井を指さした。
「天井…?地下でなくてか?」
「はい。地下は現在埋め立てられているようですが、天井は逆に空間が設けられています。そこに陣と贄があり、妖魔を呼び出しています。」
アルモスはしおらしくそう言うと、小声で「早く帰りたい…。」とぼやいた。
「ん?今、何て言ったのかな?アルモス君?」
「いえ、何も!」
アルモスは直立し、ルーファスへと顔を上げて言った。主従の契約を強制する術が掛けられている以上、アルモスはいつ消されるか分からないのだ…。
「さて、それじゃ…」
硬直するアルモスを余所に、ルーファスがそ
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