第二章
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ぬため。」
「陛下。是非もなく、私達はそのために今、ここにいるのですから。」
そしてイェンゲンら三人の魔術師は、イマヌエルW世へと礼を取ったのであった。
さて、その後王宮魔術師らと共に三人はクラウェンにある大聖堂へと移転の魔術で移動する予定でいたが、大聖堂の陣が起動しないことが分かった。
そこでイェンゲンは、恐らくクラウェンへと入っているであろうルーファスに魔術で会話を試みた。
会話は成功しはしたが、かなり雑音が酷い。何かと交戦しているようであった。
ー ここは戦場も同じだ!どうしても来てぇってんだったら陣を描く。どうする。 ー
ルーファスの返答をイェンゲンはそのまま全員に伝えると、皆一様に「直ぐにでも!」と返した。それをルーファスに伝えると、彼は既にクラウェン中央から少し離れた一画に陣を描いて待っていると言った。皆が来る…と言うのは想定済みだったようである。
それを聞くや、イェンゲンは「頼む。」と言って会話を切り、「では向かおう。」と言って魔術を行使し、リュヴェシュタンの魔術師二名を含む二十七名の魔術師らと共にその場より姿を消したのであった。
一方のクラウェンでは、低級の妖魔だけでなく中級の妖魔までが出現しており、ルーファスが陣を描いた場を死守すべく、ウイツとヴィルベルトがマルクアーンの支持に従って結界を張り巡らせていた。
そこへイェンゲンと魔術師らが姿を現し、彼らはその惨状に目を見開いた。
通常、防御結界は四方を軸として張る四方結界がスタンダードだが、ここでは六方の巨大な結界が行使されていたのである。
これだけの結界を張るには四方なら四人、六方なら六人の魔術師が必要…なのであるが、ルーファスらはただの石に簡易陣を付加し、そこへ魔力を封じて魔術師の代わりにしていたのである。その遣り方も、マルクアーンの叡智あってのものである。
結界内は浄化されており、無論、中級の妖魔とて易々と入れはしなかった。これはルーファスの魔術のお陰である。
その結界は街の一画を丸々覆うように張られ、多くの民がその中で守られていた。
しかし、一歩結界の外へと出れば、瞬く間に妖魔の餌食となってしまう有り様である。
「ルーファス!どうしてこんなにも妖魔が!?」
「知らねぇよ!ただな、大聖堂辺りから群がって来てることだけは確かだ。」
イェンゲンへとそう返したルーファスは、結界外に屯する妖魔に向けて魔術を行使した。
「光りよ、ここに集いで我が暗雲を晴らせ!」
そう詠唱するや、ルーファスの頭上に弾けるように光りが現れた刹那、それは丸で矢のように妖魔の中へと飛んでゆく…。すると、妖魔はその身を維持することが出来ずに、次々に灰燼に帰して行く。
だが、その背後からも続々と押し寄せており、先へ進むことも後退することも儘な
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