第五十二話 おせちひのきしんその六
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「信者の人達はひっきりなしだし」
「机はいつも拭いてだから本当に大変よね」
「お箸も出さないとね」
「ええ、けれど私達もお雑煮ご馳走になってきたし」
もっと言えば今もいただいています。
「それじゃあね」
「皆でいさんでいって」
「いい思い出にしてもらいましょう」
お正月におぢばに帰ってそうしてお雑煮を頂いたこのことをです、私も子供の頃お雑煮を食べていい思い出になりましたし。
そうしたお話をしてです、皆でいさんで頑張っていました。その間ひっきりなしに動いていましたけれど。
お昼になると天理高校の子達も食べに来ました、すると早速阿波野君が来たみたいで私はクラスメイトに呼ばれました。
「あのね、あの子が来てね」
「阿波野君?」
私はその娘にすぐに応えました。
「やっぱり」
「そうよ、中村千里って人いますかって言ってるわよ」
「わざわざ探してるの」
このことにまず思った私でした。
「私のことを」
「そうみたいよ、じゃあここにいるって言っておいたからね」
「えっ、何で言うのよ」
信じられませんでした、まだ何も言っていないのに。
「私がここにいるって」
「じゃあ言わなくてよかったの?」
「そう言われると」
私にしてもです。
「別にね」
「言ってもよかったでしょ」
「どっちにしても来るからね」
阿波野君はそうした子です、このことは私もよくわかっています。それでどっちにしても来ると思っていました。
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