星42 最後の試練
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「行かせてさし上げてください。彼女は今、普通の少女に戻ったのです。これからはアテナとして想像を絶する戦いが待ち受けています。今だけは普通の少女にさせてあげて下さい」
ムウがそう発言すると私はある事を思い出しました。
私にとっての最後の試練が残っている事を……。
「……サガ!」
見送っている場合じゃないです!
ちょっと足がもつれましたが、沙織を追いかけます。
「真名!?」
後ろでアイオロスが驚いて私の名前を呼びましたが、すみません。今は無視です!
沙織を見失わない様に小走りで付いていきます。
……しばらくすると前方に沙織の前で跪く黄金の塊が……!
「さ せ る くぁぁあああ!!」
今まさに心臓に目掛けて勢いよく手刀しようとしているサガに私は
「必殺っ!」
今居る場所が階段下であるなんて関係ないです!
そう、勢いを付けて高く、サガ達の居る場所よりも高く飛び上がり
「天昇牙・飛翔崩落襲閃・滅っ(めぇえええええつっ)!!」
即席の必殺名を叫び、思いっきりのかかと落としを――――
「ぐはっ!!?」
サガの脳天に決めました。
……サガが気絶したのを確認、息をして生きている事も確認すると一息つきました。
「ふう……」
良い汗をかきました!
「あ、貴女は……?」
おや、沙織ったら気付かないんですかね?
まぁ、沙織から後ろ向いてますし、声だけで判別するのは
「……ま…さか、お、お母様?」
おお?案外早く気付きましたね?
「ふふっ、大きくなりましたね。沙織」
「あ……ああ……!」
振り返ると沙織は涙を流して私を見つめました。
すると、少し離れた場所に居たので小走りで私に近付いてきて
「お母様!!」
思いっきり抱き着いてきました。
ふふっ、少し大きくなりましたが、まだ十三歳の少女。甘えたい盛りですよね。
「お、お母様!お母様ぁ……!」
「ふふふっ、大変でしたねぇ。沙織。でも、良く頑張りましたね」
「はい!はいっ!沙織は!沙織は頑張りました!」
「一人で戦う決意をして、寂しかったでしょう?怖かったでしょう?大丈夫ですよ。星矢達が、聖闘士達が、皆が居ますからね」
そう言うと涙を流す目をこすり、目元を赤くして私を見上げてきました。
「…………まは?」
「ん?」
何か沙織が呟きましたね。
「……お母様は居て下さらないんですか?」
…………くあああああああ!
「可愛い!」
「きゃっ!」
「沙織!可愛い!流石、私の娘ですね!こんなに可愛いのは女神だか
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