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Blazerk Monster
千里の旅も記録から
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「奏海、明季葉ちゃん!頼む、どんな風に書くのか見せてくれ!」
「それはいいんでしょうか……?」
「巡、写すのは良くない」
「写さないって!!書き方参考にするだけなら大丈夫……だよね、涼姉?」
「その辺は自由よ。ただし、見るのはあの博士だからもし写したりしたら、一瞬でばれるわよ」
「……涼姉写したことあるの?」

 なんとなく実感が籠っている気がしたので巡が思ったことを聞くと、涼香はしまったという顔をした。ため息を一つつき答える。

「一回だけね。期限ぎりぎりになって、友達に写させてもらったら……」
「もらったら?」
「一か月生活費を抜かれたわ。あの時は……なんとか小さな大会で賞金を貰ったけど原則食べ物は素うどんとか味のない保存食とか。死ぬかと思ったわね」
「うわあ」
「おかげであの子にも……」
「あの子?」
「なんでもないわ。忘れて。そんなことよりさっさとやりなさい」

若いポケモントレーナーには旅の食費や最低限の道具の代金は賄える程度の額が支給されることになっている。そしてレポートの内容如何では減らされることもあるしなんなら抜かれることもあるようだ。涼香の声に苦いものが交り、巡はそれが脅しや冗談ではないと察する。

「……そういうことなら。でも、写しちゃダメですよ」
「わかってるって! 明季葉ちゃんも見せてもらってもいい?」
「涼香が言うなら、いい」
「ありがとう二人とも愛してるぜ!」

 奏海と明季葉が自分のトレーナーカードを見せてくれる。ずらりと書かれた文字はすごく真面目な文章で巡にとっては見ているだけで頭が痛くなるモノだった。読み返しても目が滑る。内容が頭に入らない。それでも見せてもらう手前すぐに投げ出すわけにもいかず、自分のトレーナーカードに文字を打ち込んでいく。それでも何か自分で書いている気がしなくて書いては消して。また書いて。そんな悪戦苦闘を奏海や明季葉のアドバイスを受けながら繰り返す。

「奏海は見つけたポケモンの特徴とかがメインで……明季葉ちゃんは町や人の話が多いな」
「時代が進んで図鑑所有者のポケモンの生態調査は形骸化したとはいえ、やはり本分のようなものですから」
「四葉は、人とのふれあいが大事だった言ってたし……涼香も、書きやすいように書くのが一番だって」

 そう言われて、自分にとって書きやすい話を思い浮かべる。やはりここ数日で体験したポケモンバトルについて書くのがいいだろうと思い。勝敗の数、そして覚えた技や作戦、相手の強かった攻撃などを書いていった。

 ……のだが、巡は机に向かって勉強するのがかなり苦手なタイプである。一時間も経たないうちに限界になり、トレーナーカードの電源を切ってしまう。

「あっ! 巡兄さま、まだ最低限の半分も書いてないのにい
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