千里の旅も記録から
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をしている涼香が巡達に言った。
「さてと……今日の夜が最初のレポート提出日だけど、三人とも準備は出来てるかしら?」
「はい、ここまでの大体のことはまとめてあります」
「……涼香が夜見てくれたから、平気」
町の宿に泊まるときは男女別れて巡と奏海、明季葉と涼香で一部屋ずつ取っている。なので明季葉が涼香に教わっているのは不思議ではない。のだが。
「えっえっ? レポートって何の話?」
そもそもレポートとやらが何の事なのか、巡にはわからなかった。涼香の眉間に皺が寄る。
「何って……旅する前に博士が説明してたでしょ。ポケモントレーナーとして旅する者は原則三日、最低でも一週間に一度は博士へレポートを提出して旅をして感じたことや捕まえたポケモン、各地の様子などを報告する義務があるの」
「そ、そんな話してたっけな〜?」
「してました」
「……聞いてない巡が悪い」
「はあ……」
涼香に呆れたようにため息をつかれる。確かにワクワクが抑えきれず聞き逃した巡も悪いかもしれないが、それはそれとして。
「というか奏海! それならそうとなんで教えてくれなかったんだよ!!」
「巡兄さま、宿の部屋に入ったらすぐ寝ちゃうじゃないですか……てっきり旅の合間に書いてるものかと思っていました」
「俺にそんな器用なこと出来るわけないだろ!」
「自分が悪いのに弟を責めないの」
涼香が咎めるように強い口調で言う。正論を言われて巡は黙るしかなかった。
「最初のレポートだし、きっちり三人で提出したほうがいいわね。そうね……奏海も疲れてるみたいだし、しばらくここで休憩にしてその間にあんたはレポート出来るだけ書いちゃいなさい」
「助かります……」
「……景色も綺麗だし、明季葉としても嬉しい」
涼香の提案に対し、海奏も明季葉もあっさり頷いてしまい巡はやるしかなくなる。
「えっと、でも普通の紙に書くんだっけ?」
「トレーナーカードを操作して書くんですよ」
巡は自分のトレーナーカードをポケットから取り出す。今時のトレーナーカードというのはカードというよりスマートフォンのようになっていて、規則の確認やトレーナー同士の通話、そしてレポートの作成などいろんなことが出来るようになっている。少し操作してレポートというところをタップすると、白紙のような画面にタッチ式のキーボードが表示された。
「ほら、これで文字を打ち込んでレポートを作るんです」
「へー、なんかハイテクって感じだな」
メールを打つのと大差ないと思えば今更な技術かもしれないが、レポートという言葉の響きは何枚もの紙をまとめた冊子をイメージさせるので少し意外だった。ともあれいきなりレポートを書けと言われても書き方がわからない。涼香の手前、素直に巡は頭
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