暁 〜小説投稿サイト〜
魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Epica43ザンクト・オルフェン決戦〜Neue Belkan Ritterorden〜
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†††Sideスバル†††
ルシルさんのおかげで、あたしとティアと、ティアのお兄さんのティーダさんは、お父さんが部隊長を務めてる108部隊の隊舎前に転送された。背負ってたティーダさんを地面に降ろして、「ティア、待ってて! 誰か呼んでくる!」って伝える。
「ごめん、スバル。お兄ちゃん、大丈夫?」
「さすがに10年以上も眠らされていた所為で、足の筋肉が弱りきってる。情けない話だけどね」
立ち上がることは辛うじて出来るけど歩くのが無理なティーダさん。病院に向かうのに車も必要だから、そのためにも人を呼ばないと。もう日が沈みかけて薄暗くなり始めた空の下、「スバル!」あたしの名前が呼ばれた。
「っ! あ・・・ギン姉、ギン姉!」
「「「スバル!」」」
隊舎のエントランスからあたしを呼んだのはギン姉だった。それに「お母さん、お父さん、チンク!」も一緒に来てくれた。大隊に拉致されてから目覚めるまでの間の記憶は無いから、久しぶりに逢ったって感じもしないけど、涙が溢れてきた。
「スバルー!」
「ギン姉!」
ギン姉があたしを抱きしめてくれて、遅れてお母さんも「おかえり! ルシル君の通信を観たわ!」ってギン姉と一緒に抱きしめてくれた。あたしも「ただいま!」って返したんだけど、すぐにハッとして「お父さん、車!」ってお願いする。
「お、おう。ランスター一尉を病院へだな。アメナディエルって子から聞いてる。クイント、頼んだぜ」
「ええ! 車を回してくるから少し待ってて!」
少し離れたところに駐車してある車のところに駆け出したお母さんを見てると、「お前とティアナ嬢ちゃんはどうなんだ?」ってお父さんに聞かれた。
「あたしは大丈夫。あたしの体が頑丈なのはお父さんも知ってるでしょ」
「私も問題ないです。でも、病院へ付き添おうと思います」
「そうかい。そうしてやるといい」
「お待たせ! さ、乗って!」
あたしとティアの2人でティーダさんを車の後部座席に乗せて、「じゃあスバル。ありがとう、いろいろと」そう言ってティーダさんの隣に座るティアに、「ううん、気にしないで!」って笑顔で返した。
「じゃあ出発するわね」
お母さんの運転する車は隊舎のロータリーから車道へと出て、一路病院に向けて走っていった。車を見送った後、あたしは「ルシルさんの通信から何か変わった事ってある?」ってお父さん達に尋ねた。
「
ルシリオン
(
ボウズ
)
が局や教会の施設に送ってきた名簿に記された名前を騙る偽者を捕まえるために、偽者が所属している部隊なんかが動き出してるって話だが・・・。俺の108部隊にはいねぇから特にって感じか」
「そっか・・・。あたしに出来る事はもう無いんだ・・・」
アクアベール海の方へと
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