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探し求めてエデンの檻
5-1話
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る。

 わずかな期待もあったのだろう。
 安否を気遣う想いはあっても、気持ちは行動に繋がらない。
 女の身分では一人森へと飛び出すほどの胆力がないから、わずかでも手がかりを求めたかった。

 まぁ、気持ちはわかる。
 理屈では危険とわかっていながらも、胸の内の押さえ込んでいるモノは納得はしない。
 無事かどうかだけでいい、それを知りたくて徒労だとわかっていながらも繰り返し訊いて回りたくなる。
 その衝動は親近感を覚える。

 否定しておいて、気の毒に感じた事は否定できない。

「信じなさい」

 まずはじめに、彼女にそう言ってやった。

 無責任に、あの子を事を知りもしないアタシが“生きてる”などとは言わない。
 だけど…想う事で、祈る事で何かが返ってくるかもしれない。

 あの子の中にりおんの心に帰ってくる想いがあれば、だけど。

「死ぬべきじゃない、やるべき事、やり残した事がある…そう思える部分があるのならその子を強く信じてあげなさい。 想いが届くようにと、彼氏が無事である事を祈るのよ」

 そうでしょ?
 アイツと同じなら…仙石は生きている。
 仙石アキラと同じ目を持っているアイツも同様に死ぬわけがない―――死んでいてたまるか。

 その想いが強ければ強いほど、それを受ける者も少なからず影響する。
 それが生存に繋がるのであれば…彼女の想いそのものが証明になる。
 “終わる”以外で祈ることをしないアタシと違って、これは彼女くらいしかできない事だ。

「か、かか彼氏!?///」

 アタシの言葉を聞いて、りおんは急に顔を赤くして狼狽(ろうばい)する。
 何事かと思った。

「ア、アキラとはそんな関係じゃありませんよ! 彼とは幼馴染で、どこかで怪我して迷子になってないか、それが心配なだけです!///」

 さいですか?

 別段間違った事は…的外れな事は言ったつもりはなく、何となく直感でそうなのかなぁ、と思って口に出したつもりだけど。
 そこまで必死で否定する? そんな図星を突かれてリンゴみたいに赤い顔をさせて?
 ははっ、笑えるくらい(うい)しいわねぇ。 見ていて可愛いものだ、思春期真っ盛りだと思わせるその反応は想いが全然隠しきれていない。

 これだけ想われてるのなら本当に、あるいは…と思う。

 それにしても幼馴染かぁ。
 友人とも幼馴染だったし、異性であったのならアタシも同じようになってたのかしらね?

「わかったわかった、今のはなし」

 ヒラヒラと両手を振って宥めてやると、顔は赤いままでも少し落ち着いたようだ。

「とにかく、その子が生きていて欲しいのなら、まず貴女が先に諦めないことね」
「あ…はい……ありがとうございます」

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