5-1話
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はずだろう。
「(堅実な方向でローリスクを考慮すれば…自分の足で稼ぐ事、か)」
旅客機を使ってこの地から脱出が可能なら、何の問題はない。
それがダメなら…また駆けずり回って活路を見出す事になるだろう。
「(そうなると…この地の正体について突き詰める必要も出てくるかもね)」
一連の要素に付き纏う謎は深まる。
飛行機の墜落、あるはずのない陸地、そして跋扈する絶滅動物。
そこに何らかの要因があるとすれば―――あるいは、自分はそれを目の当たりにするかもしれない。
その時は…どう行動するか心構えをしておくべきだろう。
例えそれが―――|世の業が渦巻く真実だとしても。
「あ、あの!!」
「ん?」
炎を眺めていたら誰かに声をかけられた。
いちゃもんか? それとも好奇の類か? 一体何の用かと思って振り返る。
敵意がなく、若くて隠せない気配を向けてくるその“子”にアタシは抑揚なく答えた。
「…誰かしら?」
そこにいたのは女の子だった。
なんて事はない、200人近くはいる学徒の内の一人。
どこにもで居る……とは一には言えない。 ある意味頭一つ飛び抜けている。
手入れがされた綺麗なストレートロングの髪と、両サイドにリボンを付けた女子生徒らしき子。
容姿は一目見れば覚えが良いほどに整っていて、プロポーションに至っては“女の子”を逸脱して大人顔負けで抜群のスタイルだ。
出る所が出ていて、男が好きそうな柔かい“ソソる”肢体をしている…が、肉付きがいいだけじゃない。
何かの体操をしているのか、筋の質が柔軟な動きに適している体付きをしている。
外面的には紛れも無く美少女だ。
その少女は蕾…いや華とも言えるような綺麗な顔。
だけど、その綺麗な顔も今はどことなく暗い表情をさせている。
明るさが似合いそうなのに、必死さの翳りが視える眉を顰めた顔は…見ていて残念なものだ。
そんな美少女が、両手を重ねてスカートを握り締めそうなほど握り拳を硬くさせてアタシに何の用だろうか。
「私……赤神りおん、と言います」
「ふぅん…よろしく、りおん」
下手には出ないで気安く名前で呼び応えてやった。
「……」
「……」
「…あの、お名前は?」
むぅ…律儀な子だ。
適当に名前を呼んで、勝手に要件を述べれば済むのに…礼儀正しいのか執拗なのか、アタシは訊かれなければ口する事はなかった名前を言わざるを得なかった。
「……ジェニアリーよ」
嘘の名前を言ってやった。
|睦月《
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