第61話 剣を持つ覚悟
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変な事をされないかな……」
「まあこれも必要な事だ。諦めて切り替えていけ」
「骨は拾うよ、リィン」
ゲンナリとするリィンに、団長がシュミット博士と会っているときにする面倒くさそうな表情で諦めろと話す。多分二人が何処か似た感じがするのを感じ取ったんだね。
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「あの……これは一体どういう事ですか?」
わたし達は中央工房の地下にある実験室に来ていた。ここは新型の武器などのテストをする所らしく結構な広さがある、そこの一角に鎖で雁字搦めにされたリィンがジト目でラッセルを見ていた。
「お前さんが危険だと言うから態々レイストン要塞から取り寄せた特注の鎖じゃよ。それなら安全じゃろう?」
「いやまあ、確かにそうは言いましたけど……」
「仮にそれが壊れても俺がいるんだ、安心しておけ」
「ちっとも安心できないです……」
リィンのあの力はかなり強力なものだった、もしかしたらあの鎖も壊してしまうかもしれない。
まあ団長がいるから大事には至らないと思うけどね、でもリィンからすれば団長に止められる方が怖いのかな?
「ラッセル殿、それでどうやってリィンの力を調べるのですか?」
「うむ、リィンの戦術オーブメントにワシが改良した『情報』のクオーツがセットしてある。本来は魔獣の情報を解析する効果があるんじゃが、改良したことによって装備した人間の情報を解析することができるんじゃ。これからリィンにその力を実際に使ってもらって情報を集めるという訳じゃ」
「えっ、でもリィンってあの力を自発的に使えるの?」
ラウラがラッセルにどうやって実験をするか聞くと、実際にリィンにあの力を使ってもらって情報を集めるらしい。
でも確かリィンのあの力は強い怒りなどで勝手に出てくるみたいだから自分自身の意思では使えないって言ってたよ。どうするんだろう?
「大丈夫だ、フィー。何となくだけどあの力の使い方が分かってきたんだ」
「力の使い方を?」
「ああ、皮肉なことに何度か暴走したことで力を出せる限界というものが分かったんだ。前のロランス少尉との戦いでようやくコツが掴めた、今なら自分の意志であの力を出せるかもしれない」
リィンはそう言うと深く呼吸をして目を閉じた、すると彼の身体から赤黒いオーラが出始める。あれはあの時の……リィンは本当に自分の意志で使えるようになったんだ。
「……ぐっ」
「リィン!?」
苦しそうな表情を浮かべたリィンにわたしは思わず駆け寄ろうとした、でも団長に右手を掴まれて止められてしまう。
「大丈夫か、リィン?」
「団長……俺はこれから敢えて暴走するくらいの出力であ
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