巡る季節が奏でる出会い
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を覚えることはある。腕利きの医者に何人か見てもらったが原因はまるで不明だった。
「とにかく四葉様が決めたルールを守って、安全な旅を心がけましょう。それが一番です」
「わかったわかった。せっかくだし、楽しまなくっちゃな。可愛い女の子と一緒に旅するのにあんまり強くなることばっかり考えるのもよくないし!」
ルールの変更点の一つとして、今までは同時に複数人が旅に出てもみんなそれぞれ一人で旅をするものだったが今年からは原則三人以上で旅をすること、また旅を監督する経験あるトレーナーがつくことになっている。成人したとはいえまだまだ大人として認められたわけではないので一人旅は危ないとのことだった。その三人目が、ドアをノックした後入ってくる。
「……巡、奏海。入る」
「おはようアキちゃん、今日もカワイイね!」
「明季葉さん、おはようございます。今日からよろしくお願いしますね」
片目が隠れる程度に長い薄緑の髪、小柄な身体に対してゆったりとした青と白のエプロンドレス。指の先まで袖に隠した服装は一見動きづらそうだが彼女は苦にしていないようだった。彼女は巡の褒め言葉……というか口説き文句に対して、平坦な声で答える。
「アキじゃなくて明季葉……。それとこの服は極力肌が直接見えないようになってる。だからその表現は相応しくない」
「違う違う、そう言うことじゃないぜ」
「男の人は露出の多い女性を可愛いと思うと聞きましたが」
「まあまあそれは否定しないけどー。俺が言ってるのはアキちゃんという女の子がここに存在してること自体が可愛いってことだぜ!」
「巡の言うことはよくわからない……後、アキじゃなくて明季葉」
「二人とも、そのやり取り飽きませんか?」
巡が年の近い女の子に対してあだ名で呼ぶ上にやたら褒めるのはいつもの事だしもう諦めているが、明季葉は毎回毎回訂正するので話が長引く。そして巡もあだ名で呼ぶのをやめようとしなかった。下手をすると延々続くこともあるので、奏海から聞く。
「ところで、何か用でもありました?」
「奏海の方が一つ年上なんだから普通に喋っていい……引率のトレーナーさんが、来た」
「えっえっ、こっちに?」
「予定では研究所で待っているはずでしたが……」
今の時刻は十時を回ったところであり、巡達は十二時に研究所へ赴いて引率のトレーナーと対面するはずだった。明季葉はだぼだぼの袖に覆われた自分の腕を伸ばしドアの向こうを示す。
「おじさんとおばさん……すごく驚いてた。まるでゴーストポケモンがいきなり出たみたいに……」
「何か危ないポケモンでも連れてたのかな?」
「引率に選ばれるトレーナーが人を無暗に襲うようなポケモンを連れているとは思えません。どうでしたか?」
この家はチャンピオンである四葉
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