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ある晴れた日に
418部分:夏のそよ風吹く上をその一
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夏のそよ風吹く上をその一

                 夏のそよ風吹く上を
 祭から数日経った。だがそれでも未晴まだは出て来ない。皆そのことを猛虎堂でいつものように派手に飲み食いしながら話すのであった。
「で、まだなのかよ」
「竹林はよ」
「ああ、まだなんだよ」
「何でもね」
 五人が皆に対して説明していた。それぞれ鶏の唐揚げと枝豆、それにビールをやりながら。
「夏風邪が思ったより長引いて」
「それで会えないんだって」
「何だよ、またそりゃ大変だな」
「竹林もよ」
「そうなのよねえ」
「困ったわ」
 ここで五人はそれぞれ腕を組んで困った顔になるのであった。その顔は本当に心から困り果てた顔であった。皆それがよくわかった。
「未晴がいないと本当に」
「まとめ役いないし」
「宿題だって」
 咲がぽろりと言ってしまった。
「もう助けてくれる人いないし」
「どうしたものかしら」
「そうそう」
「そうなのよね」
 しかも他の四人も彼女の今の言葉に頷くのだった。
「おかげで宿題やるのも一苦労よ」
「未晴がいたらよ。どんな問題でもすらすらわかるのによ」
「肝心要の未晴がいないと」
「中々進まないのよね」
「おめえ等よお」
 男組はそんな彼女達の話を呆れた顔で聞いていた。そうしてその呆れた顔で言うのだった。
「宿題まで竹林に頼ってるのかよ」
「幾ら何でも頼り過ぎだろ、それってよ」
「そうよ」
 茜もその抗議に加わってきた。
「幾ら何でも宿題までって」
「って言ってもねえ」
「未晴いつも皆集めて教えてくれるし」
「その親切受けないと」
「駄目じゃね?」
「幾ら何でも甘え過ぎ」
 茜の言葉は今回はかなり厳しいものであった。それで八重歯さえ見せている。よく見れば彼女も八重歯というものを持っていることがわかる。
「何でも未晴いないと駄目なんて。完全に未晴の子供じゃない」
「うう、そう言われても」
「何ていうか」
 返答に窮する五人だった。実際にその通りなので言い返すこともままならなかったのである。事実は言い返すことが最も困難なものである。
「私達もそりゃやってるわよ」
「ちゃんとね」
「どれ位だよ」
「全体でよ」
 男組がまた突っ込みを入れる。突っ込みを入れる方も入れられて答える方も食べるのも飲むのも止めない。それだけは止めないのだった。
「一割か?二割か?」
「どれ位なんだよ」
「三割いってるわよ」
「馬鹿にしないで欲しいわね」
 五人は少しムキになって彼等に言い返した。
「ちゃんとね」
「三割はいってるわよ」
「一人が七割で後の五人が三割か」
「物凄い割合じゃねえか」
「一人辺り六分ってよ」
 一割が十分である。この辺りは野球の打率を参考にして話され
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