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ある晴れた日に
417部分:雉鳩が消えたその十七
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ういうのは弱いからな」
「私も。ちょっとね」
「まあ射的はいいとしてね」
 竹山はそれが本題ではないというのだった。それでまた言ってきた。
「それよりもさ」
「ああ」
「どうしたの?」
 今度は皆で彼女の話を聞きに入った。じっと彼を囲む。
「花火もうすぐだけれど」
「おっ、花火か」
「いいわね」
 皆花火と聞いてその目の色を一斉に変えた。
「それで何処でやるんだよ」
「何処が一番よく見えるの?」
「川の土手のところだよ」
 竹山は皆にそこだというのだった。
「そこが一番よく見えるから」
「よし、じゃあ食い物ありったけ買ってな」
「あとビール」
 早速見事な連携を見せて的確に動きはじめる一同だった。やはり仲がいいことは事実でいざとなったらそのチームプレイも見事なものであった。
「もう飲めるだけ買って」
「いざ川の土手に」
「食い物は男が持つな」
「じゃあビールは私達ね」
「あと日本酒とコップも」
 実に動きがいい。
「全部用意して」
「それで花火を見るとしようか」
「そうしましょう」
 こんな話をしながら明るく皆で花火鑑賞に向かう。その頃連絡を受けた正道はとりあえずは安心していた。そして。
 携帯をズボンのポケットになおして。呟くのだった。
「こういうこともあるか」
 今はこう考えるのだった。しかしそれは大きな間違いだった。未晴に何が起こったのか、クラスの誰も知らなかった。それを知る由もなかった。


雉鳩が消えた   完


                 2009・8・16

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