第五十二話 おせちひのきしんその四
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「私とにかく阿波野君とは何もないわよ」
「一切なのね」
「何もないまま一年過ぎるのね」
「そうよ。何があるのよ」
そもそもと思いました、お話をしていて。
「何かこの一年騒がしかったけれど」
「受験もあったしね」
「あとおさづけの理も受けるし」
「そうそう、それでお話も聞かせてもらったし」
「もう十回聞かせてもらったわよ、私」
ようぼくにならせてもらうにはまずはおさづけの理を頂かなくてはいけないですがそれは十回のお話をおぢばで聞かせてもらわないといけないのです。勿論私も毎月おぢばで聞かせてもらって十回でした。
「このひのきしんが終わったら」
「いよいよ、よね」
「神殿に参拝させてもらって」
「それでよね」
「そうね、詰所に行って」
このひのきしん最後の日にです。
「そこでおつとめ着を着てね」
「本当にいよいよね」
「その時が来るのね」
「卒業前のイベントね」
「それがあるわね」
「ええ、そう思うと」
これまでの高校生活も思い出されてです。
「いよいよって思うわ」
「私達もようぼくね」
「ようぼくにならせてもらうのね」
「そうよね、ずっとね」
それこそ子供の頃からです。
「私もならせてもらうって言われてきて育ってきたけれど」
「それがね」
「遂になのよね」
「ええ、七日の夜にね」
今は五日です、三日間おせちひのきしんをさせてもらってからです。
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