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ある晴れた日に
416部分:雉鳩が消えたその十六
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雉鳩が消えたその十六

「せめて二人だけにはなるなよな」
「洒落にならないレベルで妖しいからな」
「そうかしら」
「全然そうは思わないわよね」
 凛と明日夢の二人だけがわかっていなかった。
「だから私達は何もないって」
「私も凛もノーマルだし」
「多分嘘だな」
「いや、絶対にな」
 今度言ったのはまたしても男であった。野茂と坂上である。
「どう見てもよ。御前等だけは」
「できてるだろ」
 実にはっきりと言ってしまった。彼等もまた。
「入学した時から妖しかったぞ」
「っていうか中学校まで別々だったのに何でそんなにいつもべたべたしてるんだよ」
 実際凛は咲達といないといつも明日夢と一緒にいる。明日夢もそれは同じで恵美や茜と一緒にいないと凛といつも一緒だ。そんな関係の二人なのである。
「そこがわかんねえけれどな」
「何でなんだよ」
「ただ気が合うだけれど」
「ねえ」
 女二人はここでもお互いの顔を見合わせて言う。
「私もまさかって思うけれど」
「私も」
「まあ絵柄としては奇麗ね」
「確かにね」
 静華が今の恵美の言葉に頷いた。
「少年も凛も顔立ちはかなり整ってるから」
「スタイルも二人共いいしね」
 恵美はこうしたところも見ていた。
「確かに合うわね」
「胸ないけれど形はいいし」
 静華はさりげなくとんでもないことも失言している。
「どっちもねえ」
「ちょっと静華」
 丁度その失言に茜が横から突っ込みを入れた。
「あんた今の言葉は」
「あっ、やっちゃった」
 失言してもいつもの能天気さは変わらない静華だった。
「いやあ御免御免」
「御免御免じゃなくてよ」
「これでも気にしてるのよ」
 二人は口を尖らせてその静華に対して抗議した。
「全く。胸はね」
「全然多きならなかったわ」
「けれどあれじゃない」
 ここで言ってきたのは千佳だった。
「二人共形はねえ」
「そうそう」
「かなりいいじゃない」
 千佳の言葉に頷いたのは茜と奈々瀬であった。
「奈々瀬は意外とあるわよね」
「茜も着やせするけれど」
「春華も結構あるんじゃない?」
「咲は形だよな」
 女の子同士での比べ合いになってきていた。もうそこにいる男連中のことは忘れてしまっていた。彼等が話を聞いていることもだ。
「恵美はあるし」
「静華には負けるわ」
「私はないのよね」
「何言ってるのよ、千佳だって」
「かなり形いいじゃない」
 最後は凛と明日夢が千佳を慰めていた。男組は彼女達の話を聞いてどうにもこうにも微妙な顔になってそこに立っているのであった。
「どうよ、この話」
「どうって言われても」
 野本の返答に困った顔を見せる桐生だった。
「何て言っていいかわからないけれど」
「俺思う
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