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英雄伝説〜灰の騎士の成り上がり〜
第20話
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〜川蝉亭〜

「―――アリシア女王達にもお伝えしましたように、私は異世界の大国との外交問題等の現代のゼムリア大陸の(まつわりごと)に介入する”権限”はありませんし、そのつもりもありません。――――そしてその気持ちは今も変わりません。」
「そ、そんな……女神様はエレボニアの人々を見捨てるのですか……?」
「……エレボニアの人々は平和を願って、貴女に祈り続けているのに何故エレボニアを見捨てるのでしょうか?」
目を見開いて静かな表情で答えたエイドスの非情な答えに表情を青褪めさせたトワは身体を震わせながら尋ね、ガイウスは複雑そうな表情で尋ねた。
「見捨てるとは人聞きが悪いですね。単に”国が滅ぶだけ”で多くの戦う力を持たない人々―――民間人はせいぜい、戦争に巻き込まれるだけでエレボニア帝国の軍人達のようにメンフィル・クロスベル連合に意図的に傷つけられたりはしないのでしょう?”戦争で国が滅ぶような些細な事”は今までの歴史で繰り返され続けています。」
「……そうね。そして人々は争いをいずれ忘れて生きて行き、いつかまた争いを始め、争いが終わればまた忘れて生きて行く……という繰り返しをし続けて行くのでしょうね……」
「クレハ様……」
「………………」
エイドスの答えに悲しそうな表情で同意したクレハをノイは辛そうな表情で見つめ、ナユタは複雑そうな表情で黙り込んだ。

「く、”国が滅ぶ事が些細な事”って……!」
「確かに直接傷つけられる事はないと思いますけど……心に傷は負うと思いますよ?」
エイドスの非情な答えにアリサは信じられない表情をし、アンゼリカは真剣な表情で問いかけた。
「そうですね。ですがそれも一時的な傷。10年、20年と長い年月と共に人々はやがて祖国が滅んだという記憶を忘れ、平和な暮らしに満足するでしょうね。一応私も現在の世界情勢をある程度ワジさん達から聞いています。確かエレボニア帝国の内戦勃発の原因となった今のエレボニア帝国の宰相も実際にそれを行った結果、エレボニア帝国に呑み込まれた小国や自治州は”過去”を忘れて平和に過ごしているのでしょう?」
「そ、それは…………」
「例え両帝国が戦争を仕掛ける相手であるエレボニアの民達を傷つけるつもりはなく、平等に扱うつもりでも、それがエレボニア帝国が滅びていい理由にはならないと思われるのだが!?」
エイドスの指摘に反論できないマキアスは言葉を無くしている中ユーシスは厳しい表情エイドスに意見した。

「というかアンタの話を聞いてからずっと気になっていたんだけど、そもそも”権限”がないってアンタは言ってるけど、その”権限”ってどういう意味なのよ。」
「セ、セリーヌ。お願いだからもっと、丁寧な言い方で尋ねて……」
目を細めてエイドスを睨むセリーヌにエマは冷や汗をかいて指摘し
「口
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