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ある晴れた日に
414部分:雉鳩が消えたその十四
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雉鳩が消えたその十四

「お互いがお互いのお家に何度も行ってるし」
「幼稚園の頃から今だって」
 とにかくそうした絆は深い彼女達であった。その絆の深さが今の彼女達の激しい狼狽を導いているとも言えるのであるが。
「いつも行ってるけれど」
「それがどうかしたの?」
「だからお家に電話かけたらどうかな」
 五人はあまりにも狼狽していて桐生の言葉を半分聞いていなかったのだ。だから桐生はここでまた五人に対してこう提案したのである。
「竹林さんのお家に。今からね」
「あっ、そうね」
「そうしたらよかったのよ」
 二回言われてやっと聞くことができた五人であった。
「それじゃあ今から」
「電話かけて」
「咲がかけるわね」
 咲がすぐに自分の携帯から電話をかけた。そして出て来た家族に対して問うのであった。
「あっ、こんばんは」
 まずは挨拶からであった。
「おばさん、暫くです」
「本当に馴染みなんだな」
「そうだな」
 野茂と坂上は今の咲の言葉を聞いてこのことがわかった。
「いきなりおばさんかよ」
「それも暫くって」
 まさによく知っている顔馴染み同士の挨拶であった。
「未晴いますか?」
「どう?いるのかよ」
「どうなの?未晴」
 他の四人は電話をする咲のところに集まっていた。そうして真剣そのものの顔で問うてきた。
「大丈夫なのよね」
「それでお家にいるの?」
「あっ、そうですか」
 咲はその四人に囲まれながら電話の向こうの声に対して頷いていた。
「わかりました。それじゃあ」
「で、どうだったんだ?」
「どうなんだよ」 
 電話を終えた咲に対して坪本と佐々が尋ねた。
「家にいるのか?」
「それとももう家を出たのか?」
「風邪ひいたんだって」
 咲は拍子抜けしたようにして答えた。
「夏風邪。それも結構タチの悪いのみたい」
「何だ、夏風邪かよ」
 野本はそう言われてまずは安心したような顔になった。そうしてそのうえで言うのであった。
「ったくよお。竹林も油断してたな」
「油断って?」
「どうしてそうなるの?」
 明日夢と茜が今の野本の言葉に対して問うた。
「夏風邪が油断したらって」
「不摂生してたってこと?未晴が」
「俺は風邪なんてひいたことねえよ」
 野本は二人の問いに対して胸を張って豪語してみせた。
「そんなのよ。油断していたらなるんだよ」
「それ絶対に違うから」
「特にあんた達の場合はね」
 だが二人は冷めた目で彼に言葉を返した。
「ただ頭があれだからな」
「何とやらは風邪ひかないっていうじゃない」
「ちぇっ、またそれかよ」
 いつものように返されて野本は口を尖らせた。
「どうせよ、俺はよ」
「はいはい、わかったから」
「もういいから」
 しかも
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