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ある晴れた日に
413部分:雉鳩が消えたその十三
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雉鳩が消えたその十三

「それぞれのね」
「ふうん、そうだったの」
 明日夢はそこまで聞いて浴衣のことはわかった。だがもう一つ聞いてきたのであった。
「それで未晴は?」
「未晴って?」
「さっき音橋と会ったけれど」
 明日夢は言うのだった。
「一人だったけれど。あんた達と一緒じゃないの」
「えっ」
「嘘・・・・・・」
 明日夢の話を聞いて五人は血相を変えて顔を見合わせた。まさか、という顔で五人が五人共それぞれの顔を見やっていた。まるで予想もしなかったように。
「未晴って確か」
「そうよね」
「ねえ」
 そしてさらに言い合うのだった。
「音橋とデートしている筈だけれど」
「音橋が一人って?」
「まさか」
 それぞれの顔に困惑の度合いがさらに深まっていく。
「有り得ないけれど」
「どういうことなんだよ」
「何かあるのね」
 恵美はそれを聞いて察した。
「どうやら」
「どうやらってだから」
「あいつとデートしているとばかり」
「違うの!?」
 五人は恵美に対してもその狼狽を明らかに見せていた。
「じゃあ未晴何処?」
「何処にいるのよ」
「携帯は?」
 焦りはじめた五人に対して冷静にこう問うたのは恵美だった。
「携帯かけてみたらどうなの」
「それが携帯も」
「駄目なのよ」
 五人はその恵美に対して困った顔ですぐに返してきた。
「出ないのよ。どういうわけか」
「何でかわからないけれど」
「?どうしてなの」
「それがわからないから困ってんだよ」
「こんなこと今までなかったのに」
 その困ったままの声で恵美に返す彼女達であった。
「何で出ないのよ」
「未晴に限ってこんなことが」
「?本当ね」
 茜が実際に自分の持っている手提げの布袋から携帯を出してそのうえでかけてみて言うのであった。
「出ないわ、未晴」
「電波が届いてないとか?」
「こんなところで?」
 怪訝な顔で明日夢に返す茜だった。
「それはちょっとないと思うけれど」
「確かに」
 言われて頷く明日夢だった。
「人が多いだけだしね、ここって」
「電源が入ってないんじゃないかしら」
 茜が考えたのはこの可能性だった。
「若しかして」
「電源が入ってないって」
 今度は明日夢が怪訝な顔になった。その顔で言うのだった。
「未晴が?入れてないなんて」
「考えられないわよね」
 茜は怪訝な顔のままであった。
「こんなのって」
「ちょっと、いえかなりね」
 千佳も横で話を聞いていて首を傾げさせていた。
「何かあったのかしら」
「そうだね。ここはね」
 男組は女組に比べてかなり落ち着いていた。その中の桐生がここで言うのだった。
「竹林さんのお家に電話してみたらどうかな」
「未晴のお家に!
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