星40 真名戦後編
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「何。今、君の傍に行かなければ後悔してしまいそうだったんだ」
笑顔でこちらを見つめてくるアイオロス。
彼は車椅子での移動手段しかないと思っていました。
恐らく六年は治療していなかったハズです。
けれど、今の彼の両足はしっかりと地面の上にあって。
「足は?」
「まだ完治していないよ。小宇宙で一時的に歩いているに過ぎない」
ああ、なるほど。流石としか言えないですね。
しかもそれだけではなく。
「その恰好は?」
そう、今のアイオロスは射手座の黄金聖衣を纏っています。
「君を止めに」
「……止めてくれるんですか?」
「ああ」
そう言って、アイオロスは私から少し離れた場所まで来ました。
「真名」
「……はい」
一体どうやって止めると言うのでしょう……。
「何を使うかは秘密としよう。例えて言うなら……」
「?」
「君にもらった物を返そう。という事だ」
「??」
一体どういう事でしょう?もらった物を返す?
何年もアイオロスにあげた物なんてありませんよ?
「真名」
「は、い」
驚きで少し落ち着いていた反動でしょうか?少しづつ魔拳の力が強く……。
「ア…イオ……ロス!止めるな…ら、一思いにで……すよ!」
ではないと、止まれません……!すると、アイオロスが動きました。
手に黄金の弓を持ち、矢を背から取り出しています。
「兄さん!」
「「アイオロス!!」」
「よせ!アイオロス!」
アイオリア、ミロにカミュ、シュラが叫んでます。
これで、彼らを傷付ける事はありません。
気張って動いてなるモノですか……!
「いくぞ、真名」
「はい」
そして矢は放たれました。
□■□■□■□■□■□■
矢は放たれた。
真名は目を閉じ、その瞬間を待った。魔拳の力は”避けろ”と叫んでいる。
だが、真名は動けない。いや、”動かない”。
アイオロスが来てくれて良かった。心の底からそう思う。
そして、
トスンッ
っと小さく、そんな音が真名の額から聞こえた気がした。
「……あ」
身体に、心に全力で抗い、消し去る事が不可能と思っていた重圧が軽くなってくる。
完全に消えた訳ではないがこれならばと小宇宙を高め、自身の精神を強く意識して魔拳の力を追い出す。
どこか遠くの方で何かが破裂した音が聞こえた気がした。
そして、その瞬間真名は気が抜けて倒れ込む所だったが、アイオロスがいつの間にか傍に居て抱き留めていた。
目を閉じる瞬間、見えたのは
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