星39 真名戦前編
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という気持ちと、良くやってくれた。という気持ちの両方を感じている。
後半は真名の本心であろう、前半はどうみても魔拳の影響である。
横になっていたのを直に起き上がり、上を見る。遠くの方で駆けていく音がする。
この音は星矢達であろう。今直に追いかけて
「殺さなければ……」
呟いた瞬間、頭に衝撃を感じた。己の手にもその瞬間、痛みを感じる。
そう、真名は自分自身で己を殴ったのである。
それは呟きでも許さない。そういった感情が今の真名の心を支配していた。
しかし、その感情も直に無くなり、魔拳の効力に抗う為に無感情になるが、わずかに魔拳に押されかけてしまった。
己の役目として本来ならば全員行かせる訳には――――。
いや、青銅の少年達だけでも行かせなければアテナ(沙織)は――――。
いいえ、彼らを追いかけて……こ ろ し ――――。
「…………!!」
真名は切れ目の間から高く跳躍する。
双魚宮の中に舞い戻り、素早く周りを見渡し、小宇宙で星矢達を探る。
どうやら星矢達はデモンローズの坂を走っている様であった。
星矢達はそれぞれの必殺技でデモンローズを蹴散らしていた。
どうやらデモンローズの事を前もって教えられていた様である。
それを感じ取り、舌打ちしたくなる気持ちと、安堵する気持ちの両方を感じて、なんとかやり過ごす。
両方の気持ちに蓋をしないと、魔拳に負けてしまいそうになるからだ。
そして、目の前に立つ黄金聖闘士達。
これで良い。こうなったらもう、最後の手段だ。
殺すのは嫌、自害も出来ない、精神力で勝つには後一押しないと無理の様だ。
ならばとそう思い、懸命に今感じている気持ちのまま、ソレを伝える。
□■□■□■□■□■□■
「アイオリア……ミロ、シュラ…カミュ……。お願いがあります」
「真名?」
「このままではジリ貧です。だから」
にっこりと笑顔で伝える事にしました。
わ た し を こ ろ し て く だ さ い。
声になったか、わかりませんでした。
けれど、四人が目を見開いて驚いている事が分かります。
私の言った事が伝わったのでしょう。
「な、何を言っている」
「そうだ!何を言っているんだ!?そんな馬鹿な事……!」
「……教皇のやった事は」
「え?」
いきなり”教皇”という名を出した私に驚きの声をあげます。
「確かに、悪い事をしていたでしょう。けれど、彼は彼なりに自身の正義で、この聖域を守っていました。私には出来ない事です」
「真名……正気に戻って?」
私は彼らの言葉にかまわず話を続けます。
「許せとは言いません。
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