星39 真名戦前編
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つまり、シュラがやって見せた事は、動かないでいる様に見える真名の横を、普通の方法では星矢達を通らせる事は出来ないという事である。
「ちょっ、マジかよ」
「……今の、見えなかった」
けれど、その見えない動きに対し、直接ソレを受けた星矢と瞬は怪我一つしていない。
考えられるのは一つ、真名は人間相手に手加減しているという事。
そこにチャンスがあるかもしれない。
瞬時にそう察して、黄金の四人はお互いにアイコンタクトを取り、一つ頷く。
「一気に方を付ける!行くぞ!」
シュラが三人にそう言って走り出す。
三人もそれに付いていく形で走り出した。
まず、先手を取ったのは……カミュだった。
「【カリツォー】」
真名の周りを凍気の輪が満ちていく。
カリツォーは凍気の力によって動きを封じる技である。
一つの輪では効果は薄いが重ね掛けが可能なため、複数の輪を生成した方が効果は高くなるが、時間がかかる。
一時的な技でもある為に、初見での使用でしか効き目はない。
昔、どんな技であるか説明した事があったが、実際に使って見せた事はないので、一度ならば効き目はあるだろう。
実はミロと戦う前に氷河がカリツォーを使っている。
一払いではねのけられてしまったが。
だからこそ今、この瞬間でしか真名に対して使えないのである。
思ったとおり、背にはためかせていたマントで一払いしようとした真名。
それを見逃さず、ミロとアイオリアが動けない真名の左右に移動して両腕をしっかりと掴んだ。
「今だ!星矢達!」
「走り抜けろ!」
その言葉を聞いた青銅の四人は頷き合い、急いで真名を掴むミロとアイオリアの横を通ろうとしたが
「……離しなさい」
そうぽつりと言って真名は、おもむろに両腕を掴んでいるミロとアイオリアごと一度己に引き寄せ、思いっきり反動をつけて両腕を小宇宙と一緒に大の字で放ち、ミロとアイオリアは吹き飛んでしまった。
「「うああああ!!」」
「アイオリア!ミロ!」
星矢が立ち止まりそうになったが、直に
「こちらの事は気にするな!走れ!」
カミュにそう言われ躊躇したが、その言葉に頷き、急いで走る。
そこで、真名は星矢達に拳を向けようとしたその瞬間、足元が大きく崩れた。
「聖剣!!」
その技名と共に。
「!!」
大きな切れ目が己の足元に出来た事に驚き、一瞬硬直してしまい、そのまま足を滑らせ、大きな切れ目に落ちてしまった。
てっきり攻撃してくるなら己自身にしてくるだろうと思っていたので、出ばなをくじかれた気がした。
だが、真名はよくも邪魔をしたな。
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