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女神と星座の導きによりて
星38 アフロディーテ
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その蹴りをバク転の要領で避け、体勢を整えて透かさず、スカーレッドニードルでアフロディーテの身体の秘孔を突こうとしたが、アフロディーテもまた、それに気付いており赤薔薇をミロの指先に向けて放つ。
 
 「ロイヤルデモンローズ!」

 小宇宙を纏う赤薔薇に一瞬怯んだがロイヤルデモンローズに見せかけたモノである事に気付き、素手で払いのける。

 「くっ、フェイントか!」

 それにより隙が出来たミロの腹部にアフロディーテは光速の拳で殴りかかる。
 ミロも己の隙が出来てしまった事に素早く気付き、拳が腹部に当たる前にこちらも光速の手刀にて払い、払った反動を使いそのまま回し蹴りを食らわせる。
 
 「ぐぁっ!!」

 咄嗟に腕で防御するが、諸に蹴りを喰らい柱に吹き飛び、ぶつかるアフロディーテ。
 
 「……ディーテ」

 真名はアフロディーテに近付き、息をしているか確かめる。
 どうやら気絶しているだけの様だ。
 それだけ確認するとその場にまた佇み、こちらを見据えている。
 ここまで戦っておいてなんだが、実はミロは本気を出していない。
 今のアフロディーテは黄金聖衣を纏っていないからだ。
 もしも黄金聖衣を纏っていたならば、戦いは続行だっただろう。
 実力自体は互角なのだが、防御面に関しては圧倒的に不利なのはアフロディーテだ。
 ミロが本気で蹴りをぶつけていたのならば、今頃アフロディーテは腕の骨は折れ、その蹴りの威力により、絶命していた可能性が高い。
 だが、ミロはそうしなかった。
 アフロディーテが心から教皇に心酔しているのは知っている。
 ここで殺せば真名が受けた幻朧魔皇拳の効力も解除されるだろう。
 でも、それは出来ない。
 真名がそれを望んでいないからだ。
 この十二宮の戦いを見ていれば分かる。
 真名はこの戦いで出来る限り”死者を出さない様にしている”事は明白である。
 もし、真名が居なければ今頃は黄金聖闘士が”半分程死んでいた”事だろう。
 兵士達にも死者が出ていた可能性もあるのだ。
 その例が獅子宮女官の人質の件である。
 アイオリアはもう分かっていた。
 あの名前のない手紙を持ってきた伝書鳩が誰からの物で、女官の牢の場所を知っている兵士が居る。と、書かれていなければ殺して鍵のみを手に入れ、自力で探して回っていたであろう可能性がある事を。
 カミュも氷河との闘いで朽ちるだろうと思っていた。
 だが、この十二宮の戦いが始まる前日、カミュの元へ青薔薇、キュアローズが届いた。
 この時になって初めてカミュは真名が聖域に居る事を察した。
 しかし、何故キュアローズが送られてきたのかが分からない。
 手紙にも

 《テーブルにでも飾ってください》

 としか書かれていなかっ
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