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ある晴れた日に
408部分:雉鳩が消えたその八
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雉鳩が消えたその八

「あれ?いつもの白の」
「ええ」
 こくりと頷く顔はさらに赤くなっていた。
「そうよ。白よ」
「何か本当に白が好きなのね」
 今度の奈々瀬の言葉は苦笑いになっていた。
「下着いつも白だし」
「奇麗に見えるから」
 だからだという未晴だった。
「いつも白だけれど」
「それはわかるわ。けれど何か最近白の下着って少ないわよね」
「そうよね」
「確かにそうだよな」
 四人が奈々瀬の今の言葉に頷いてきた。
「案外ね」
「ベージュとかライトブルーとか多くない?」
「ピンクもポピュラーよね」
 奈々瀬は笑顔でピンクを出してきた。
「私はピンクが一番好きだけれど。下着の色も」
「まあいいけれどね」
「ピンクも」
 四人は一応は奈々瀬のその好みには頷いてみせた。
「けれどピンクばっかりてのもねえ」
「夏だと透けるわよ」
「そうなのよね。まあ透けるのは覚悟してるわ」
 何故かこういうことには居直る奈々瀬であった。
「あれでしょ?学校の制服着てる時とか」
「おめえはっきり言って丸見えだから」
 これ以上はない程ダイレクトな春華の言葉だった。
「浴衣の下着のラインよりもな」
「ある程度見せる為のだし」
 こうも言う奈々瀬だった。
「だって。ブラウスだから、制服って」
「見えるのは仕方ないってことね」
「私達もそれ同じだけれど」
「それに奈々瀬のブラウスって」
 皆口々にその奈々瀬に対して告げるのだった。
「ピンクじゃない」
「下着と同じ色だよな」
「じゃあラインが見えるだけじゃないの?」
「だから。それでも見えるじゃない」
 奈々瀬が言うのはこのことだった。
「ちらって。半袖の袖とかから。
「まあそれはね」
「見られたりするけれど」
 女の子にとって夏は何かと難しい季節なのである。何時何処で見られるかわからない。だからこうした気配りも必要なのである。
「それはね」
「けれどそこまで意識するの」
「意識してるのよ」
 奈々瀬自身の言葉である。
「浴衣の時はさらしだから別にいいけれど」
「ブラウスでさらしは・・・・・・ないか」
「それは」
 流石に皆それはないとわかっていた。
「幾ら何でもね」
「それはね」
「とにかくね。下着もピンクよ」
 何だかんだで奈々瀬も未晴と同じなのだった。下着の色にこだわるのだ。
「女の子らしくていいじゃない」
「やれやれ。奈々瀬って」
 静華は困ったような、それでいて何処か優しい笑みを浮かべてその奈々瀬に言う。
「昔から女の子なんだから」
「うち等の中じゃ一番そうだよな」
 春華も言う。
「昔から。女の子らしいっていうかな」
「だから。女の子だから」
 奈々瀬自身の言葉である。
「悪いの。それが
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