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花咲爺さんのお殿様
第一章

[2]次話
               花咲爺さんのお殿様
 花咲爺さんのお殿様は誰なのか、そのことについて考られた人はいるでしょうか。実はこのお殿様は織田信長とのことです。
 このことは僕は子供の頃にふとあのお殿様は誰なのかと思って父に聞いたところ織田信長だと答えが返ってきました。父がどうしてこのことを知ったのかはわかりませんが言われてみるとあのお殿様は多くの絵本や人形劇で織田信長を彷彿とさせる外見や行動です。
 そして何故あの枯れ木に桜の花を咲かせる場所に信長が通りがかったのか、こんな経緯だったのではないでしょうか。
 信長公はこの時お城にいました、ですが政に関してのお仕事が一段落して武芸の稽古に入ろうとしていました。
 そこで馬に乗りに行きますが信長公の馬の乗り方は戦の場を念頭に置いたものでかなり荒々しものです、このことは若い頃からでしたがそれは多くの広い領地を持った今でも変わることがありません。
 それで一刻程馬を荒々しく乗って汗もかきましたがそこでようやく落ち着きました、すると供の人達何とか信長公についてきていた人達は肩で息をしながら信長公に言いました。
「お屋形様、少しお休みですか」
「そうされますか」
「うむ、随分と荒く乗ったからのう」
 信長公は額の汗を懐から出した手拭いで拭きつつ供の人達に答えました。
「それにお主達も随分疲れたな」
「いえいえ、とんでもない」
「これしきのことですぞ」
「我等お屋形様の為なら火の中水の中」
「これ位は」
「ははは、我慢せずともよい」
 信長公はあえて大丈夫だと言う供の人達に笑って返しました。
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