第百七話 善政が招くものその一
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第百七話 善政が招くもの
英雄達は大和と播磨に淡路、そして周辺の国の降ってくる諸勢力を加えた領地をただ内政を行うだけでなく法も整えそのうえで治めていた、その結果。
領地は日に日によくなっていた、それで英雄は大坂城で仲間達に話した。
「いい感じにな」
「治まっていますね」
紅葉が応えた。
「まことに」
「そう思う、今は戦っていないが」
「それでもですね」
「戦で勝った時以上にな」
「多くのものを得ています」
「その実感がある」
「では今は」
紅葉は英雄に問うた。
「暫く政を進めて」
「足場を完全に固めてな」
「地力も得て」
「そしてだ」
そのうえでと言うのだった。
「その力でな」
「また動きますね」
「外にな、しかし」
英雄はここでこうも言った。
「今は紀伊、山城、伊勢からな」
「国人が降ってきていますね」
「毎日の様にな」
「英雄さんならと思って」
「こちらが使者を送っていなくてもだ」
そして降る様に言っていなくてもだ。
「あちらから来てな」
「わたくし達の陣営に加わってくれています」
「有り難いことだ」
「そうですね」
「戦わずともな」
「そして使者を送らずとも」
「こちらに降ってくれるならな」
「これはあれたい」
今度は香織が言ってきた。
「大和でのあんたの言葉ととよ」
「俺の政がか」
「善政が評判になってたい」
それでというのだ。
「あんたを慕って」
「加わってきているか」
「そうたい」
まさにというのだ。
「だからたい」
「このことはか」
「いいことたい」
「そうだな、なら降った勢力はな」
「そのまま治めるたいね」
「粗末に扱わない」
これは絶対にと言うのだった。
「何があろうともな」
「大事にたいな」
「扱う、これまでもそうしているが」
「これからもたいな」
「そうしてだ」
そのうえでと言うのだった。
「俺の下で働いてもらう」
「立場を保証したうえで」
「一族や家の富にも手を出さない」
一切、そうした言葉だった。
「何があってもな」
「そのこともたい」
「国人達が俺達に降ってきている要因か」
「安全なら」
降ればそれでというのだ。
「そうなるとよ」
「そういうことか」
「だからたい」
「このままだな」
「来るものは拒まずでたい」
「いくべきだな」
「それがこの浮島を統一する近道たい」
「そうでもあるな」
英雄は香織のその言葉に頷いた。
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