暁 〜小説投稿サイト〜
おぢばにおかえり
第五十二話 おせちひのきしんその二

[8]前話 [2]次話
「いさんでいくわ」
「勿論私達もね」
「いさんでいくわよ」
「本当に今年で最後だから」
「余計にね」
 皆も同じ考えでした、そしてです。
 皆でおせちひのきしんに入りました、制服の上から天理教の法被を着ますがこの法被の前のところにちゃんと天理高等学校と書かれています。
 その法被を着て食堂でお雑煮を頂く信者さんにお雑煮を出させてもらったり雑用をさせてもらうのですが。
 その私にです、皆は休憩の時二こんなことを言ってきました。
「あの子も来てるわよね」
「あの後輩の子」
「今多分お餅焼いてるけれど」
「あの子もここに来るのよね」
「後輩の子ってまさか」
 いつも皆から言われるのでわかってきました、その子が誰なのか。
「阿波野君?」
「そう、あの子ね」
「あの子も来るわよね」
「来ないわよ、お餅焼いてるのに」
 それでどうして私のところに来るのでしょうか。
「それはないわよ」
「いやいや、来るじゃない」
「そうそう、お昼の時に」
「だったらね」
「来るのよ」
「そういうこと?とにかくね」
 私はクラスの娘達にむっとした顔で言いました。
「今日はひのきしんの場所別だから」
「会わないっていうの」
「そうだっていうの」
「そうよ、私は食堂にいるのよ」
 クラスの女の子達と一緒にです。
「それで阿波野君はそっちなのに」
「だから会わないのね」
「会わないわよ」
 その可能性はないと思っていました。
[8]前話 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ