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ある晴れた日に
402部分:雉鳩が消えたその二
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雉鳩が消えたその二

「だからだ。どんな結果でも傷付くこともない」
「そっちはそうしたことがあったのか?」
 彼は正道の話を聞くうちに彼自身にこのことを尋ねた。この尋ね方は少なくとも問う方である彼にとっては当然の流れであった。
 しかし正道にとってはどうであるかというと。彼はそこまでは考えていなかった。しかしそれでも彼が問うたのは事実であり戻れないことであった。
「振られたことが。あったのかい?」
「振られたことか」
「どうなんだよ。それは」
 またそのことを正道に問うのだった。
「あったのか?やっぱり」
「あった」
 正道は暫しの沈黙の後で彼に答えた。
「中学の時にな」
「そうか。やっぱりあったんだな」
「転んだ。あの時にな」
 またしても転んだと言った。しかし言葉のニュアンスは先程までに比べると何処か重かった。しかしそれと共に忘れようともしているかのようだった。
「痛かった」
「そうか」
「あの時は転んだようには思えなかった。しかし転んだだけだった」
「転んだら起き上がる」
 この彼もまた言うのだった。
「それだけだよな」
「俺は今起き上がった」
 正道もまた言った。
「それで今がある」
「そうか。じゃあ俺も告白するか」
 こんなことを話しているうちに彼の中では結論が出た。
「彼女にな」
「そうするといい。それでだ」
「ああ」
「この曲はどうだ」
 正道は奏でる曲を変えてきた。今度は哀しげなバラードであった。そのバラードをギターで奏でて彼に聴かせてきたのである。
「どんな感じだ」
「ああ、いい感じだな」
 彼はそのバラードに耳を澄まさせてから答えた。
「何かな。自然な感じだよな」
「自然か」
「自然に哀しさが伝わってくるな」
 しんみりとした顔での言葉だった。
「いい曲だな。そうした意味でな」
「そうか。いいか」
「やっぱりあれだよ」
 今も正道が奏でているその哀しげなバラードを聴き続けながらまたその正道に告げた。
「あんた音楽変わったよ」
「今になってか」
「ああ。彼女ができてからな」
 やはりそれからだというのだった。
「変わったよ。いいふうにな」
「いいように変わったのならいいことだ」
 正道は特に表情を変えはしないがこう述べた。
「それならな」
「やっぱり人間あれだな」
 彼はさらに言う。その表情を明るいものにさせながら。
「恋をしないと駄目なんだな」
「しないよりする方がいい」
 正道は今度はこう言うのだった。その手からギターを離さず奏でたまま。その中での言葉だった。バラードと不思議とかみ合った言葉になっていた。
「恋はな」
「そうだよな。けれど今のバラードな」
「この曲がどうした」
「まだ歌はないのかよ」
 彼が今度聞
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