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ある晴れた日に
401部分:雉鳩が消えたその一
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雉鳩が消えたその一

                  雉鳩が消えた
 夏休みは終わりに近付いていた。正道はこの日学校に来ていた。
 学校に来ていた理由は簡単だった。部活に出て来ていたのだ。軽音楽部の部室でギターの弦を調整しながらあれこれとしていた。
「なあ」
「何だ?」
 同じ部員の言葉に顔をあげた。彼は一年だが別のクラスの人間でクラスメイト達程深い付き合いはない。しかしそれなりに親しい関係でもあった。
「音橋、最近御前変わったな」
「変わったか」
「音楽がな」
 彼の音楽についての話であった。
「変わったな。何かな」
「そうか」
 だが正道には実感のないことだった。自分ではあまり変わっていない感じであった。それで今の彼の言葉にはこう返したのであった。
「俺は特に」
「曲の奏で方がな。変わったな」 
 彼はこう言うのだった。その正道に対して。
「柔らかい部分も出て来たな」
「柔らかい部分か」
「それで激しい時はさらに激しくなってな」
 彼はさらに言った。
「全体的に広がってきたな」
「そうか」
「そうだよ。何かあったのか?」
 彼はあらためて正道に対して問うてきた。
「彼女でもできたとかな」
「相手はできた」
 このことを隠さない正道だった。
「それは知っているか」
「まあな」
 そして相手もそれを知っているのだった。くすりと楽しそうに笑いながらまた正道に応えてみせたのだった。
「聞いてるぜ。同じクラスの娘だろ」
「そうだ」
 一言で答える正道だった。
「それがどうかしたか」
「いや、彼女ができたらな」
 彼は楽しそうに話す。
「変わるんだな、人間ってな」
「そうだな」
 このことに関しても同じだった。素っ気無い返答だ。しかし正道はその素っ気無さの中に彼自身が深く感じていることも含めさせていた。
「変わるな」
「いいふうにな」
「いい恋愛をすればいいように変わる」
 正道は言った。
「いいようにな」
「そうだよな。いいようにな」
 彼の目はさらに笑っていた。まんざらでもないように。
「俺もしてみようかな。恋愛な」
「相手はいるのか」
「いや、いないけれどな」
 今度は屈託のない笑みになる彼だった。
「一応気になる相手はいるからな」
「告白するのか」
「いいかな」
 正道に対して問うてきた。
「告白して」
「傷付くのが怖くなければな」
 正道はそんな彼に対して一言述べた。
「告白すればいい」
「傷付くのが怖くなければかよ」
「そうだ。怖くなければだ」
 正道は彼にまた告げた。
「告白するといい」
「振られても泣くなってことか」
「転ぶのと同じだ」
 これまた実に軽く言ってみせた正道だった。
「振られるのはな」
「また随
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