第7章:神界大戦
第207話「最悪の真実」
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は逃げられない。
「志導優輝さん」
「………」
「端的に言えば、目的は貴方ですよ」
分かっていた。予想はしていた。
だが、実際にそう告げられた事に、司や奏達は驚いていた。
「そう。全ては貴方が原因。今の貴方は覚えていないでしょうけど、イリス様は貴方を欲しています。……正しくは、貴方の可能性が閉ざされるその様を見たいがためです」
「可能性が……閉ざされる……?」
いまいちピンと来ない言い方に、緋雪が首を傾げる。
その呟きにソレラは呆れたように溜息を吐く。
「これだから他世界の人間は。まぁいいです。これは神界の神でなければ……いえ、イリス様以外理解できなくてもいい事です」
「っ………」
嘲るような物言いに、緋雪を始め何人かがつい言い返しそうになる。
しかし、それが挑発ですらないただの言葉だったため、何とか思いとどまった。
「……ぶっちゃけてしまえば、他の方々はおまけでしかないんですよ。……ただ、貴方の可能性の灯火はなかなか消し去れない。故に利用する事にしたのです」
「なぜ皆も、と問われる前に答えたか。問いの手間が省けたが……なぜ僕だ?何か特別な何かが僕にあるというのか?」
「……本気で言っているのですか?」
冷たい視線が優輝に突き刺さる。
その間にもとこよや紫陽が状況を打開できないか周囲を探る。
……が、結界と神々に包囲されている現状、何も策はなかった。
「本当は気づいているでしょう?わかっているでしょう?自分が普通の人間ではない、と言う事ぐらいは」
「………」
「……まぁ、この際そこはどうでもいいです。貴方さえ絶望させられれば」
その言葉を皮切りに、神々が己の武器を構える。
それに応じるように、優輝以外の全員も周囲に対して身構える。
「……僕をただ追い詰めるだけじゃなく、懐に招き入れ逃げられなくし、さらに僕以外の皆を利用するか。……人質として」
「ふふ……人質?馬鹿な事を……駒でしかありませんよ」
個々の実力差だけでなく、現状そのものが明らかな劣勢。
既に罠に嵌められ、追い詰められたと見ても過言ではないだろう。
「他の方も気の毒ですねぇ。こんな事に巻き込まれるなんて」
「………やめて」
続けられる言葉は、優輝の心に突き刺さる。
否、それだけじゃない。優輝以外の者にも、それは突き刺さっていた。
「貴方がいたから、貴方と親しくしたから―――」
「………やめろ」
心のどこかでは考えた事があったから。
実際に少しでもそう考えた事があったから、心に突き刺さる。
故に、否定しようと、拒絶
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