第7章:神界大戦
第207話「最悪の真実」
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紫陽の一喝に、全員が慌てたように駆ける。
既に背後ではディータ率いる神々が戦闘を始めていた。
「ッッ……!」
戦闘の余波にあおられ、優輝達は吹き飛ぶように加速する。
我武者羅のように逃げ続け、いつの間にかディータ達が見えなくなった。
「(気配の類は突然消えた。“離れようとする意志”がそうしたのか?)」
撤退中、優輝は気配の動きを見ていた。
ディータ達の気配は遠ざかるのではなく、突然遠くへ離れていた。
その事から、神界での移動の法則を曖昧ながらも推測した。
「に、逃げ切れたの……?」
「見えへんなったな……これなら……」
とりあえず戦闘地帯から抜けたと、何人かが安堵する。
「―――逃がしませんよ」
しかし、その安堵を消し飛ばすように、声が響いた。
「っ……!」
「神界において神界の神から人間が逃げられると思いですか?」
逃げる優輝達の前に、ソレラが現れた。
少し前までの、小動物系の雰囲気は鳴りを潜めている。
今は、冷たい眼差しで優輝達を見ていた。
「ッ!!」
「………」
「チッ……!」
刹那、優輝が攻撃を仕掛ける。
しかし、その攻撃は割り込んできた別の神に防がれる。
「……!」
後退し、優輝は何人かに目配せし、念話で指示を出す。
「『足止めの攻撃をしつつ撤退!一人一人を相手にしていたらすぐに捕まるぞ!』」
優輝が創造魔法による剣群を、緋雪が破壊の瞳で目晦ましと攻撃を。
ユーリとサーラは魔法、とこよと紫陽が霊術で一気に攻撃を放つ。
「―――は?」
そんな間抜けな声を出したのは誰だろうか。
しかし、無理もなかった。
「“守られる性質”。本領発揮です。……無駄ですよ」
その牽制は、ソレラを守るように割り込んだ神一人によってあっさりと防がれた。
“守られる性質”。それは、味方がいる時に最も効果を発揮する。
その“性質”によって防御効果を上げた神の障壁で、防がれたのだ。
「それと、言ったはずです。“逃がしません”と」
防がれたのは正直優輝達にとってはどうでも良かった。
今のは飽くまで牽制。ほんの僅かにでも時間が稼げれば良かった。
そのため、既に全員が撤退の行動を起こしていた。
……が、それを妨げるように結界が張られた。
「せっかくですから聞いて行ってくださいよ。……なぜ、態々神界に招き入れるような真似をしたのか。何が目的なのかを」
「っ……!」
「囲まれている……」
「隠密性の高い能力でも使ったのか……?」
結界だけでなく、神々によって完全に包囲されていた。
これでは、生半可な事で
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