5 魔法の杖と頼もしき男子達
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戦いは始まった。
「それじゃ、皆殺しといくか!」
アンナが地面を足踏みする。山田家の庭の地面が爆発した五人はその勢いで吹き飛ばされた。
「俺も行くぞ」
アレクサンドルが砕けた地面の欠片を蹴る。かよ子は慌てて避けた。地面の欠片は弾丸のようにかよ子の家の壁面に当たり、銃弾のようにそこには穴が開いた。
「力学的な能力も俺は持っているぞ。それに・・・」
アレクサンドルは屋根の上にいる猫を見て、掌を猫に向けた。猫が近寄る。
「俺は『この世の人間』だった頃は動物学を専門としていた。動物を操る能力も持っている。この猫を猛獣にする事も出来るぞ」
アレクサンドルが寄せた猫が巨大化した。猫は皆を食べようとするかの如く襲い掛かろうとする。
(どうしよう、どうすれば・・・!!)
かよ子は冷静さを失った。その時、杉山がサッカーボールを猫に思い切りぶつけた。猫は「ニャー!」と言って目を瞑った。
「山田!チャンスだ!!」
「う、うん!」
杉山に促され、かよ子は杖の使用しようとした。しかし、どれから能力を得るべきか・・・。
「かよ子、これを使え!」
かよ子の父はカッターナイフをかよ子に向けて投げた。
「カッター・・・?」
かよ子は本に書かれてあった事を思い出した。
【刃物および刀の類を対象にすると杖は剣の能力を得られる。】
かよ子は杖をカッターに向けた。その時、杖は一本の剣に変わった。
「杖が剣に変わったからって何よ!」
アンナは構わずかよ子に向けて突風を引き起こした。しかし、かよ子は剣を一振りした。突風は薙ぎ払われた。
「・・・え?」
「いいぞ、山田!」
「う、うん!」
かよ子は剣を一振りしてアレクサンドルを振り払った。アレクサンドルが塀に打ち付けられると共に、猫を操る事に集中力が途切れたのか、猫が小さくなった。
「この・・・!!」
アレクサンドルが立ち上がり、再び猫を巨大化させようとする。しかし、大野が野球のボールをノックさせた。アレクサンドルはとっさに避けたものの、能力を行使できなかった。
「二度と同じ手は使わせねえぞ!」
「くそ!」
「兄さん!」
アンナは大野に向かって火を放つ。
「大野!!」
杉山が叫んだ。これでは大野は火傷を負い、下手すれば焼死する。
「大野君!」
かよ子の父がアンナに体当たりをする。そしてかよ子もまた剣を一振りさせて大野を襲う炎を消した。
「かよ子!アンナを斬るのよ!」
かよ子の母が叫んだ。
「え?!」
かよ子は人を斬って殺人罪に問われるのではないかと一瞬心配した。しかし、杉山が構わず叫ぶ。
「ためらうな!行けえええええ!!」
「杉山君・・・!!うん・・・!!」
かよ子は杉山の叫びで迷いを振り切った。かよ子は剣を振りかざす。アンナ
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