第百六話 圧勝の後でその十
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「やはりな」
「成文法ですか」
「定めて公に出してだ」
「そこからその法を使ってですね」
「治める」
「そうした方がいいので」
「ここは成文法だ」
それでいくというのだ。
「式目や諸法度の様なものを定めてな」
「治めている領地に出して」
「そして治める」
「そうされますか」
「この播磨まで手に入れたならな」
その時はというのだ。
「そうする」
「それでは」
「まずは播磨だ」
「この国を手に入れる」
「それからだ」
こう言ってだった、英雄は姫時に入ってからも播磨の諸勢力に人をやって降伏を促して従う勢力はそのまま受け入れ。
そして逆らう勢力は武で以て降してだ、それを繰り返し。
程なく播磨そして淡路も手に入れた、この大きな国も手に入れてだった。
英雄達はまた大きな勢力になった、そして大坂に戻ると峰夫が言ってきた。
「ようやくであります」
「大和、そして紀伊の山の民達がか」
「まだ少し従わない者達もいますが」
それでもとだ、峰夫は英雄に話した。
「何とかです」
「その殆どを迎え入れたか」
「これで大和、紀伊の山もです」
「俺達の領土になったか」
「はい、田畑はないですが」
それでもとだ、峰夫は英雄にさらに話した。
「それでもです」
「民とだな」
「そこにあるものが手に入りました」
「それは何よりだな」
「はい、ただ」
「ただ。どうした」
「何かあるでありますか」
峰夫は英雄の顔を見てこうも言った。
「お考えが」
「実は今法を考えている」
「法でありますか」
「国を治める法をな」
それをというのだ。
「考えている」
「というと領国法でありますか」
英雄の話をここまで聞いてだ、峰夫はこの法を出した。
「戦国時代の」
「武田信玄や今川義元が定めた」
「はい、分国法とも言いますが」
「それぞれの領地を治める法だな」
「それを定めますか」
「いや、もっと上のものだ」
「では諸法度の様だ」
「それだ」
まさにとだ、英雄は峰夫に答えた。
「俺はそれを考えている」
「それがこの浮島全体にも及ぶので」
「やがてな」
「だからでありますか」
「分国法でなくだ」
「諸法度でありますか」
「それを定めてだ」
そしてというのだ。
「治めていきたい」
「では今から」
「法を定める」
まさにとだ、英雄は峰夫に述べた。
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