第百六話 圧勝の後でその七
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「あの島を手に入れておくか」
「ああ、それな」
幸正は淡路攻めの話が出たところでだ、英雄にこう答えた。
「いい考えだな、実はな」
「お前もそう考えていたか」
「ああ、あそこを抑えるとな」
「瀬戸内の東は俺達のものになる」
「確実にな、あそこから四国も行けるしな」
「勿論四国攻めもな」
「今後考えているな」
「俺はこの浮島を統一する」
この考えの下に動いているからだというのだ。
「全ては海の魔神を倒す為だしな」
「それならだな」
「やがて四国も攻める」
この考えがあるというのだ。
「ならな」
「淡路はだな」
「今のうちにな」
「手に入れておるな」
「播磨攻めと同時かその直後にな」
その時にというのだ。
「攻めるぞ」
「それじゃあな」
「播磨は湖からも攻める」
こう言ってだった、そのうえで。
英雄は播磨を陸からだけでなく湖からも攻めた、そうしてまずは西宮に兵を進めたが西宮とその近辺の国人達は。
英雄が来ると聞くとすぐにだった、自分達から彼の本陣まで来て恭順の意を述べてきた。そうしてだった。
英雄は彼等を受け入れてからだ、仲間達に問うた。
「神戸の国人も多くいるが」
「これはやっぱりね」
桜子が応えて話した。
「大和でのあんたの言葉がね」
「播磨にも届いていてか」
「あんたを確かな人だって見てね」
「この世界を救うなら神仏の罰も恐れない、か」
「退けるとまで言ったからね」
「そのことが伝わっているか」
「播磨にもね、だからね」
それでと言うのだ、桜子も。
「さっきの人達も降ったんだよ」
「そういうことか」
「多分播磨に止まらないよ」
「さらにか」
「そうだよ、紀伊とか伊勢とか山城とかね」
「これから勢力を伸ばす国々にもか」
「この話は伝わっていてね」
そしてというのだ。
「絶対にね」
「俺の勢力はか」
「かなり広がるよ」
多くの勢力が降ってというのだ。
「間違いなくね」
「そこまでのものになるとはな」
自分の言葉がとだ、英雄は無表情のまま述べた。その無表情は英雄自身の表情の乏しさ故で別に何も思っていないからではない。
むしろ心の中で感慨を感じてだ、彼は今こうも言うのだった。
「恐ろしいな」
「言葉は重く大きいものでね」
「すぐに伝わるか」
「時として光より速くね」
桜子は笑ってこうも言った。
「そうもなるものだよ」
「それが言葉か」
「ああ、それでね」
「播磨だけでなくか」
「そうさ、さらにね」
「淡路にだな」
英雄は播磨と共に今手に入れることを念頭に置いているこの島も話に出した、彼にとっては今はそこは何よりも大事なものだ。
「あの島でもだな」
「あたし達の周りの国々からもね」
「降る勢力が出て
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