暁 〜小説投稿サイト〜
魔法が使える世界の刑務所で脱獄とか、防げる訳ないじゃん。
第56話 馬鹿なの阿呆なの死ぬの?
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オオオオオオオオ???? マイクは没収です!」
「「「「ちぇ」」」」
「“ちぇ”じゃない??」

「じゃあ飲み比べしようや」
「良いだろう。響君、仁君。ありったけの酒を持ってきて」
「朝から酒盛りとか正気ですか?? と言うか、普通にやめて下さい?? 買い足すの私なんですからね??」
「琴葉……諦めろ」
「響は諦めるのが早すぎる??」
「琴葉様。此処はもう放っておいた方が賢明かと」
「仁も諦めないで……??」

「「「「と言うか、琴葉(様)が原因なんだから/ですから、琴葉(様)が何か言えば良いじゃないか/ねェか/ないですか」」」」
「全員黙れ。さもなければ全員一緒に首飛ばして四人仲良く棺にぶち込んでやるよクソ野郎共」
「「「「すみませんでした」」」」
「分かれば良いですよ。まぁ取り敢えず、私は報告書を置いて帰りますので。そしたらラップバトルでも飲み比べでも、お好きにどーぞ。では、御機嫌よう」


◇ ◇ ◇


依頼は昨日で一通り終わったので、今日は家でまったりとしていれば良いのだが???

「やっぱり、楽しみを求めてしまうんですよねぇ」

一人きりで街に来て、目的も無しにふらふらと歩いていた。

……ら。

「……あ、ぶ、な、い????」

赤信号に突っ込んでいく青年。自殺したいの?? 馬鹿なの?? 阿保なの?? 死ぬの??
思わず彼の元まで全力疾走して、腕を思いっきり引く。そして、自分より大きな体を抱き寄せる。

白い髪に灰色の目。真冬さんと一緒……

「あ゛? んだよ、てめえ」

前言撤回。真冬さんはこんな不良みたいな口調じゃないし、こんなドスの効いた声じゃない。

「通り縋りの者ですが……貴方、大丈夫ですか? 赤信号ですけど」
「あ゛? ……ホントだ」

“ホントだ”ぁあああ?

「“ホントだ”じゃないんですけど。危うく、貴方死ぬところでしたよ」
「考え事してて気付かなかっただけだっつーの。それに、車が来たら避けるさ」
「貴方の何処にそんな実力が……」

「ねぇねぇ、あれって……」
「精鋭の魔法遣いがゴロゴロ居るって言う噂の暴力団のマークが入ったシャツ着てる……やば。逃げなきゃ」

マジですかいオネーさん。

もしかして、私とんでもない状況なんじゃ……

「???てめえ。今なんつった」

やらかしましたね。

「……はぁ。まぁ良いでしょう。今日の外出は“赤信号に突っ込むヤクザを助けた”って事で満足ですからね。はぁ……」
「ブツブツ何言ってやがんだよ。もっとデケェ声で言えや、クソ(アマ)ァ」

「アンタが魔法遣えるとか、ありえなぁい??」


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