第60話 生誕祭 後編
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…」
「えっ、クラム喋っちゃったんですか?」
「前にルーアンでリィンさん達と別れた時にクラムとリィンさんが二人だけで話していた事を聞きだしたんです、だからあの子を叱らないであげてください」
「そうだったんですか……」
「出来れば再会できたあの時にお礼を言いたかったのですが、色々あって言えずにいました。でも漸く言う事が出来ます。本当に何とお礼をおっしゃればいいか……ありがとうございます」
クローゼは涙を流しながらわたし達にお礼を言った。
「ん、友達を助けるのに理由なんていらないよ。ねえリィン」
「ああ、俺も妹がお世話になった人たちに恩返しができたから気にしないでください」
わたし達がそういうとクローゼはニコッとほほ笑んで手を握ってきた。この笑顔が見れたのなら最高の報酬だね。
「そうだ、お二人にはまだ話していませんでしたが今日の夜にお城で晩餐会が行われるんです」
「へぇ、そうだったんですか」
「その晩餐会がどうしたの?」
「実はおばあ様がお二人やラウラさん、ルトガーさんにも出席していただきたいとおっしゃられているんです」
「お、俺達が晩餐会に!?」
リィンは驚いているが無理もないよ、だって王族が出る晩餐会に猟兵が出席するなんて前代未聞だからね。
「そ、そんなことできませんよ!ラウラはともかく俺達は猟兵ですよ!?」
「ん、流石にマズイと思うよ。そもそも反発する人はいなかったの?」
「確かにお二人やルトガーさんを危険視する人もいました。でもモルガン将軍が説得してくださったんです」
「モルガン将軍が……ですか?」
「はい、あのお方も表立って露わにはできませんがお二人には感謝しているんです。エルベ離宮で助けた女の子を覚えていますか?あの子はモルガン将軍のお孫さんなんですよ」
あの時助けた女の子がモルガン将軍の孫……それは知らなかった。そのおかげでモルガン将軍に助け船を出してもらえたんだね。
「それでもやはり場違いというか……」
「リィン、流石に女王陛下が直々に招待してくれたのにそれを断ったらそれこそ不敬って奴になるんじゃないの?」
「むっ、それは……」
わたしの言葉にリィンは頭に指を当てて考え込む。さっきは反対する人がいると思ったので行くのは躊躇したが、問題が無いのなら別に出席してもいいと思うよ。
「……因みに団長にはこの話は?」
「勿論もう既にしています。ルトガーさんも美味しい物やお酒が食べられると張り切っていました」
「団長……」
団長らしいというか何というか……普通はそんな即決したりしないと思うけど。
「……分かりました。女王陛下のご好意を無碍にはできません、俺達も出席させていただきます」
「ふふっ
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