第60話 生誕祭 後編
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いるかは分からないとのことだ。
「エステル達、いないね」
「ああ、二人もデート中らしいし明日に挨拶した方がいいかもしれないな」
「そうだね、じゃあ私達もデートを楽しもっか。あっ、あそこのアイス屋前に来た時よりも繁盛しているね」
「本当だな、まあ今日は暑いしアイスも良く売れるんだろう」
確かに今日は結構暑いからアイスも売れると思う。でもあんなに繁盛しているのを見てるとつい食べたくなっちゃうな。
「フィー、アイスでも食べていくか?」
「えっ?」
「食べたそうな顔をしていたぞ」
「バレたか」
ペロッと舌を出して白状した。あんなに熱心に見つめていたらそりゃバレるよね。
「俺も食べたいし、少し待つことになりそうだけど行ってみるか?」
「うん、行こう」
わたし達も列に並んでアイスを購入する。その時に店員の人に顔を覚えてもらっていたようで「あの時のカップルさんじゃないですか」と言われたので久しぶりと返事を返した。
ラウラがいないことを気にして何か意味深な視線を送られたが無事にアイスを買う事が出来たよ。
「おっとっと……」
「トリプルは頼みすぎたんじゃないのか?」
「甘いものは別腹。リィンだってダブル頼んでるじゃん」
「ダブルは普通だろう。しかしそれだと立って食べるのはキツそうだな、何処かで座って食べられる場所はないか?」
「あっ、リート君にフィルじゃない!」
二人で休憩できる場所を探していると誰かに声をかけられた。聞こえた方に視線を向けるとそこにいたのはエステルとヨシュアだった。
「エステルさん、ヨシュアさん。貴方たちもアイスを食べていたんですね」
「えへへ、奇遇だね。でもリート君が、目を覚ましていたなら直ぐに会いに行けばよかったわ」
「ご心配をお掛けしてすみませんでした」
「まあこっちに来て話さない?場所も空いてるしね」
「じゃあお言葉に甘えてそうさせてもらいますね」
わたし達はエステルとヨシュアが座っているベンチの空いている一角に腰を下ろす。
「それにしてもリート君が目を覚ましてくれて本当に良かったわ。一週間も昏睡状態だったから心配してたの」
「重ね重ね申し訳ありませんでした」
「そんな謝らなくてもいいって。あっ、そういえばリート君とフィルって偽名何だっけ?」
「ん。わたしはフィーでリートはリィンという名が本名」
「騙したりしてすみませんでした……」
「あはは、リート……じゃなかった、リィン君ってば謝ってばかりだね。あたし達も色々助けてもらったしお互い様って事で良いじゃない」
頭を下げるリィンにエステルは手を振って謝らなくてもいいって言ってくれた。
「そういえばリィン君とフィーは西風の
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