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レーヴァティン
第百六話 圧勝の後でその五

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 実際に興福寺に英雄の言葉と考えが降伏を促す言葉と共に伝えられた、すると興福寺側は一も二もなくだった。
 降った、そうして。
 他の国人達も降った、それは奈良だけでなく郡山や橿原の諸勢力も降ってだった。
 桜井や高田、宇陀、五條と続いた。それでだった。
 大和の北そして中央部は興福寺との戦で事実上英雄達の勢力となった、英雄はそれを受けてだった。
 橿原に入ってだ、仲間達に言った。
「次は南だが」
「そこっちゃな」
 愛実が応えた。
「山ばかりの」
「吉野までは手に入りやすいが」
「そこから先っちゃな」
「果たしてどうなるか」
「順調とはであります」
 南の山の民達に話している峰夫が言ってきた、英雄が橿原にいると聞いて吉野から来て話しているのだ。
「あまり」
「言えないか」
「これが」
「山の民は何処にいるかわからないか」
「そうであります」
「それが問題か」
「彼等は決まった土地を持っていないであります」
 山の民、彼等はというのだ。
「我々が思う様な」
「そうなのか」
「道は彼等の道で」
 それでと言うのだった。
「何時何処にいるのかも」
「わからないか」
「そうであります」
「それでか」
「中々であります」
「そうか、ならだ」
 ここまで聞いてだ、英雄は峰夫に話した。
「このままだ」
「順調でなくてもでありますか」
「お前に任せている」
 だからだというのだ。
「このままだ」
「組み入れることをでありますか」
「していけ」
 是非にと言うのだった。
「こうしたことは急いでもだ」
「何にもならないとですか」
「俺は思っている、だからな」
「このまま」
「少しずつでも確かにな」
「山の民達を組み込んでいく」
「大和だけでなくな」
 さらにと言うのだった。
「紀伊の方もな」
「あちらの山の民達もまた」
「組み込んでいってもらいたい」
「わかったであります」 
 峰夫は頷いてだった、そのうえで吉野に戻り山の民達の取り込みを再開した。そしてそのうえでだった。
 大和の南から紀伊の山のことは彼に任されてだ、英雄達は大和の北を手に入れていった。そうして全てを手に入れて。
 それからだ、英雄は大和の守りを定めてから大坂に戻った。峰夫は引き続き山の民達にあたっていくことになった。
 大坂に戻るとだ、英雄は仲間達にこう言った。
「次はだ」
「播磨でござるな」
「そうだ、あの国だ」
 智にもすぐに答えた。
「あの国に兵を進めてな」
「手に入れるでござるな」
「播磨も豊かな国だ」
 だからこそというのだ。
「あの国もだ」
「手に入れて」
「そしてだ」
 そのうえでというのだ。
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