第百六話 圧勝の後でその四
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「それでもだ」
「構わないっちゃか」
「そんなものは退ける」
仏罰や神罰の類はというのだ。
「戦の場で受けるならな」
「それ以外ではどうっちゃ」
「戦以外で受ける様なことをする趣味はない」
仏罰や神罰を受ける様なことはというのだ。
「そもそもな」
「そういえば今神仏を信じていると言ったっちゃな」
「逆に言えばマルクス主義は嫌いだ」
唯物論で知られ宗教を否定していることでも知られているこの思想はというのだ。
「あんなものは人を不幸にするだけだ」
「マルクスはそうしたものっちゃか」
「俺はそう思う」
「だからマルクスは否定してっちゃ」
「神仏はだ」
マルクスが否定している宗教はというのだ。
「信じている、神仏は確かにいる」
「この世界だけではないっちゃな」
「俺達が起きた世界でもな」
そちらの世界でもというのだ。
「俺は信じている」
「そうっちゃ」
「だからそうしたことを受ける様なことはな」
「最初からっちゃな」
「しない」
絶対にと言うのだった。
「普段はな。しかしな」
「戦の時はっちゃか」
「俺は魔神を倒す」
下の世界を全て石に変えしかも海で覆っている魔神をというのだ。
「だからだ」
「その為にはっちゃな」
「仏罰や神罰もな」
それを被る様な事態に陥ろうともというのだ。
「退けてだ」
「そうしてっちゃ」
「さらに戦う、それだけだ」
「強いっちゃな、しかしっちゃ」
「それならか」
「いいと思うっちゃ」
笑顔になってだ、愛実は英雄に答えた。
「そして英雄は今いいことを言ったっちゃよ」
「そうなのか」
英雄は愛実に鋭い目を向け言葉を返した。
「自覚はないが」
「自覚はなくてもっちゃ」
「俺は俺が思うことを言っただけだ」
この浮島を統一し海の魔神を倒し世界を救う為ならば仏罰も神罰も全く恐れはしないというそれをというのだ。
「それでもか」
「この言葉を興福寺に伝えればっちゃ」
それでというのだ。
「絶対にっちゃ」
「効果があるか」
「間違いなくっちゃ。そして」
愛実は英雄にさらに話した。
「他の勢力にもっちゃ」
「俺の今の言葉はか」
「話すっちゃよ」
「いいですね」
一同の知恵袋である謙二も言ってきた。
「それでは今の英雄君の言葉は」
「他の勢力にもか」
「伝えましょう、恐れるにしても感じ入るにしても」
そのどちらでもというのだ。
「降る勢力がこれまで以上にです」
「多く出るか」
「ですから」
それでと言うのだった。
「いいかと」
「そうか、じゃあな」
「それならですね」
「俺の言葉を伝えるのだ」
「勿論興福寺にもですね」
「当然だ」
英雄は謙二にも即断で答えた、そしてだった。
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