第百六話 圧勝の後でその三
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「国人衆の軍勢がぜよ」
「それぞれ動いていてな」
「バラバラぜよ」
「それがだ」
「敵の動きをまとまらなくしてな」
「弱くしている」
「そうじゃのう」
「お陰でやりやすい」
敵の動きがまとまっていない分そうだというのだ、見れば国人衆の軍勢の中には動かなかったり変に突っ込んできたりしている軍勢もいる。
「勝手な動きをしている軍勢が来ればだ」
「狙いを定めてじゃな」
「撃てばいい」
鉄砲、そして弓矢をというのだ。
「そうすればな」
「敵の数が減るぜよ」
「だからだ」
「このままだな」
「戦っていく」
こう言って実際にだった、英雄は彼が言う座ったままの戦を続け勝手な動きをする敵には臨機応変に対していた。
そしてその彼のところに報が来た。
「大砲いけます」
「そうか、ならだ」
「これよりですね」
「敵の本陣にだ」
そこにというのだ。
「撃て」
「それでは」
「そしてだ」
「その一撃で、ですね」
「敵の動きを乱す」
打撃を与えるだけでなくというのだ。
「そこでな」
「そうしてですね」
「次の動きだ」
騎馬隊だというのだ。
「そうするぞ」
「それでは」
「大砲を撃て」
英雄は直接命じた、そしてだった。
大砲が轟音と共に巨大な砲弾を放った、その一撃は敵の本陣を直撃した。そして英雄の狙い通りにだった。
敵の主力である興福寺の本陣が乱れた、それを英雄は見逃さなかった。
智に命じて敵の軍勢の側面から騎馬隊を突っ込ませた、これで興福寺の主力も他の敵の軍勢もだった。
総崩れとなった、英雄はその後は総攻撃を命じてだった。敵を散々に打ち破り敵は興福寺の方に算を乱して逃げた。
その後でだ、英雄は言った。
「さて、後はだ」
「戦に勝ったからっちゃな」
「興福寺まで攻め入ってだ」
そうしてとだ、英雄は愛実に答えた。
「降るかどうかをな」
「聞くっちゃな」
「降ればそれでいい」
「若し降らないとどうするっちゃ」
「攻める」
英雄の考えはもう決まっていた。
「そしてだ」
「攻め落とすっちゃ」
「興福寺をな」
この寺自体をというのだ。
「相手が寺社でもな」
「英雄は遠慮しないっちゃね」
「神仏は信じているが」
それでもというのだ。
「敵ならだ」
「戦うっちゃか」
「敵なら戦う」
躊躇せずにというのだ。
「それだけだ」
「割り切ってるっちゃな」
「仏罰や神罰を受けてもな」
寺社との戦ではよく相手がこう言ってくる、英雄は自分達が起きている世界でよくあったことを話した。
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