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女神と星座の導きによりて
星29 一年前
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、ムウなんですけどね。
 青薔薇を見たのでしょう。息を飲む音が微かに聞こえました。
 そして、私を呼び止めるべきか悩んでいましたが、止めたみたいですね。
 私はそのまま帰る事にしました。
 冷たいですけね?確かに後ろ髪を引かれましたが、ムウの判断です。気にしない事にしました。
 そうそう、老師にも会いに行きましたよ。
 何より、紫龍に会うかも?なんてハラハラしてましたけど、結局会わないで済みましたね。
 

 □■□■□■□■□■□■


 「初めまして、老師。真名と申します。お見知りおきを」

 「ふぉっふぉっふぉ、初めまして、じゃな。お主が真名か。噂はかねがね……」

 噂……?

 「噂、ですか?」

 「うむ、今のお主は仮面を付けていない様だが、昔は”聖闘士の中でもっとも慈悲深い黄金聖闘士”、”黄金最強の聖闘士”と言われ、シオンから教皇候補と聞かされておったぞ。ああ、後、”アテナを救った聖闘士”としても有名じゃな」

 マジかよ……。(ごくり)

 「そ、そんな大層な人物じゃないです。私は、自分の信じた道のりを歩んだつもりです。でも、それが正しいかは正直に言えば分からなくて……」

 「ふむ……」

 老師が己の髭を撫でてちょっと悩んだ感じになりましたが、直にこちらに目線を合わせて

 「突き進んでみたらどうかの?」

 「突き、進む……」

 「人間、誰しも苦しみ、悩むモノじゃ。ならば、信じてみた道を突き進むのもまた道であろう。確信を持って大丈夫とは言い切れんが、やれる事は全てやってみるのも良いのではないかのう?」

 「やれる事、ですか」

 もし、サガ達、黄金聖闘士達が死なない未来があったとしたら?
 現にアイオロスは死んではいません。
 そんな未来を信じてもいいのでしょうか?
 
 「老師、私は諦めなくても良いのでしょうか?まだ、出来る事があると信じても良いのでしょうか?」

 「儂は、そう思うがのう」
 
 
 □■□■□■□■□■□■

 
 老師に言われたからではないですけど、まだ間に合うのなら、やってやろうではありませんか。
 
 「この際、運命なんか、くそくらえです!やーってやりますよ!」

 この発言と共に起こした行動に因って、運命が変わる聖闘士が居るかはまだ分かりませんが、今出来る事を、出来る限りやりますよ。
 ええ、正にやってやりますよ!!

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