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ある晴れた日に
384部分:目を閉じてその十一
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目を閉じてその十一

「それもかなりね」
「強いのね」
「遺伝なんか大嫌いよ」
 またしても口を尖らせての言葉だった。
「おかげでこんなに小さくて。何なのよ」
「甘いわね」
 怒ってさえいる明日夢に咲が言ってきた。
「八条分教会のお嬢さんはもっと努力したけれど少年よりまだ小さいのよ」
「小さいってどれ位?」
「一五〇位よ」
 それ位だというのである。
「もうね。小さくてちょっと気付いたら見えなくなるから」
「あっ、私一五七だから」
 明日夢はここで自分の背を自己申告したのだった。
「七センチ勝ってるわ」
「そりゃ嘘だろ」
「どう見たってそんなにないじゃない」
「なあ」
 それは速攻で皆に否定されてしまった。
「一五四位だよなあ」
「咲一五六でそれより小さいじゃない」
 咲にも言われたのだった。
「じゃあやっぱり一五五かもっと小さいわよ」
「うっ、それは」
 サバ読みもあえなく失敗してしまった。
「じゃあ咲が間違えてるのよ。本当は一六〇あるわよね」
「ないわよ。それ位欲しかったけれど」
 咲もすぐに否定してしまった。
「けれどないから。本当に」
「じゃあ北乃ってやっぱりよ」
「一五五ないよな」
「絶対にな」 
 この結論は覆るものではなかった。誰がどう見ても、だったからだ。
 しかしそれでもだった。明日夢は言うのであった。
「それでもよ」
「それでも?」
「何かあるの?」
「まだ伸びるかも知れないじゃない」
 こう力説するのである。
「ひょっとしたら。そうでしょ?」
「それは絶対ないぜ」
「有り得ないから、それ」
 このことは皆に速攻で否定されたのだった。
「女の子ってあれだろ?高校生になったらもう成長止まってるんだろ?」
「それでどうして伸びるのよ」
 こう言って皆で否定するのであった。
「あの娘さんだってねえ。昔私達より大きかったのに」
「今じゃ一五〇あるかないからからね」
 また咲達が話をするのだった。
「急に背が伸びなくなったわよね」
「そうそう」
 こんな話をするのであった。明日夢は彼女達の話を聞いて言うのだった。
「またあれ?あんた達がしょっちゅうお邪魔してる教会の娘さん?」
「ああ。あの人のことだよ」
 春華が歌い終えたところでこう明日夢に話した。
「あの人な。少年は会ったことないんだな」
「そもそも天理教の教会?」
 首を捻って言う明日夢だった。
「馴染みないから。うち法事だし」
「っていうとお坊さんか北乃のところは」
「そうだったの」
「確か浄土宗だったかしら」
 明日夢はふとそんなふうに思い出した。
「うちの宗教って」
「ふうん、浄土宗か」
「そうなの」
 皆それを聞いても特に思うところはないようであっ
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