第三章
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「ここまでしてくれたこと礼を言う」
「有り難きお言葉」
ここでタバディクは自分の名を名乗った、こうして彼はピマカの夫となり一族の有力な助言役そして魔術師として働いた。
一家は彼の力もあり豊かで幸せになる一方だった、しかし。
島が凶作になり人々の間で餓えが心配されだした、それでピマカの姉達タバディクにとって義姉となる彼女達も不安な顔で話をした。
「凶作になって大丈夫かしら」
「そうよね」
「一体どうなるのかしら」
「島が餓えるのかしら」
「そうならなければいいけれど」
「そうよね」
こんなことを話していた、六人の夫達も必死に働くが凶作はあまりにも酷くどうなるかわからない状況だった。
それでだ、島全体が不安に覆われていたが。
ここでタバディクはまた義父に言った。
「私に果物を下さい」
「果物をか」
「はい、家族の方全員が」
屋敷に住む者全員がというのだ。
「一個ずつそうして下さい」
「それでどうなるのだ」
「また魔術を使いますので」
それでというのだ。
「ですから」
「その時にか」
「おわかりになります」
「わかった、ではそなたの魔術をな」
「この度もですね」
「期待させてもらう」
「それでは」
タバディクは義父に確かな顔で応えた、そうしてだった。
すぐに一家全員がタバディクに一個ずつ彼が言うままに果物を手渡した。ピマカの六人の姉達の子供達もそうした。
だがその姉達はだった。
「例えピマカの旦那様でも駄目よ」
「直接手渡しは出来ないわ」
「自分の旦那様以外の人に手渡しは出来ないわ」
「そうしたことはしっかりしないと」
「だからピマカお願いね」
「私達の分は貴女が手渡して」
こう言って一番下の妹に自分達の果物を渡してそのうえでピマカに手渡した、するとピマカはその果物を姉達の分までタバディクに手渡した。
するとだ、タバディクは確かな顔になりこう言った。
「これでよし」
「いいというのね」
「そうだ、果物の数だけ富を受け取り」
そしてとだ、タバディクは自分に最後に果物を手渡した妻に顔を向けて答えた。
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