第一章
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年齢詐称
ナポレオン=ボナパルトは総裁政府の総裁であるバラスに抜擢されてそのうえでパリの王党派の叛乱を市民の中に大砲を撃ち込むという過激な方法で鎮圧した。その後で彼はパリ市民達の武装解除に務めていた。
それで参謀本部でその指揮にあたっていた。
フランス人の平均よりはやや背が高いが何処か野暮ったい外見の彼は今は難しい顔で何かと考えていた。
「桜桃はの残党が問題だが」
「はい、それでもですね」
「フーシェ殿の様には出来ないですね」
「あの方がリヨンでされた様なことは」
「そうだ、あそこまでのことは出来ない」
ナポレオンは周りにいる将校達に答えた。
「私もそこまですることもないと思うしな」
「左様ですね」
「幾ら何でも市民の一割を殺すなぞです」
「しかも無実だろうが構わず処刑するなぞ」
「無茶にも程があります」
「あの男は危険だ」
ナポレオンはフーシェについて剣呑な目で述べた。
「ルイ十六世の処刑の時もそうだったな」
「はい、まさか死刑に投票するなぞです」
「あそこでそうするとは」
「あの方が投票しなければルイ十六世は処刑されていませんでした」
「そうなっていましたが」
「しかも何処からか金を集めてだ」
ナポレオンはさらに話した。
「工作に使うな」
「タレーラン殿もどうかという方ですが」
「あの方もですね」
「非常に危険な方ですね」
「そう思う、そして私はあの御仁の様なことはしない」
それは決してというのだ。
「何があろうともな」
「左様ですね」
「ではですね」
「後は武装解除をさせて」
「そうしてですね」
「ことを収める、戦いが終わればそれまでだ」
流血の事態はというのだ、戦いともなれば犠牲は躊躇しないがそれが終わればもうそれを求めることはしないというのだ。
「ではな」
「これよりですね」
「さらにことを進めていきますね」
「そうしていく」
武装解除をとだ、こう話してだった。
ナポレオンは今はパリ市民達の武装解除を進めていた、その時にだった。
一人の士官が参謀本部に来てナポレオンに言ってきた。
「子供が来ていますが」
「子供だと」
「はい、父親の剣を返して欲しいとです」
「剣。遺品か」
剣と聞いてだ、ナポレオンはすぐに察した。軍の場所に来て剣を返して欲しいとなればすぐに察しがつくことだった。
「そのことか」
「はい、その様です」
「わかった、ではだ」
「その子供に会われますか」
「そのうえで剣を返そう」
こう言ってだった。
ナポレオンはその子供と会うことにした、すると十四歳程の少年だった。その少年に父の話を聞くと。
「そうか、ボアルネ将軍のご子息か」
「はい、せめてと思いまして」
少年ウー
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