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ある晴れた日に
379部分:目を閉じてその六
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目を閉じてその六

「どれがいいの?それで」
「わかったよ、食うよ」
「食べればいいのよね」
 春華も奈々瀬もうんざりとした顔であったが答えることは答えた。
「何とか食うからよ」
「その三つの罰ゲームは受けないから」
「そもそもこの罰ゲーム受けた人いるの?」
 桐生は首を捻ってこのことを尋ねた。
「やったら生きていないと思うけれど」
「流石にいないわよ」
 茜はもう嫌々ながらスプーンを手に取っていた。60
「それやった人は」
「そうだよね。やっぱり」
 桐生もそれを聞いて納得した顔で頷いた。
「死ぬからね。やっぱり」
「誰だって死にたくないから」
 茜はまた言った。
「流石に全部食べるわ」
「組み合わせはともかく美味しいしね」
 恵美はもう食べはじめていた。巨大なオムライスだが次々と食べていく。
 そうしてそれからだった。恵美はまた言った。
「食べられることは食べられるわよ」
「食べられないものを作る発想は全然ないわよ」
 明日夢はそれは保障するのだった。
「それはね」
「それはいいことだけれどよ」
 野本もオムライスを食べているがそれでも言うのであった。
「やっぱりチューハイにオムライスはないよな」
「全くだよ。何か皆の分あるし」
 加山も困った顔をしていたがそれでも食べてはいた。
「美味しいけれどね」
「他にまだ注文ある?」
 明日夢はここでまた皆に尋ねてきた。
「メニューなら受けるけれど」
「じゃあとりあえずビール大ジョッキ」
「それ人数分」
「あと枝豆」
 これは真っ当な組み合わせであった。それならば誰も文句はなかった。
「それ頼むわ」
「それでいいわね」
「わかったわ」
 メニューに素早く書いていく。そうしてそのうえで部屋を後にするのだった。皆そのオムライスを苦労して食べてから言うのであった。
「ああ、歌」
「そうそう」
 皆ここでカラオケのことを思い出したのだった。今まで飲み食いするばかりでそこまで考えが至らなかったのである。カラオケ屋にいるのにだ。
 それでカラオケの方に顔をやると。二人がまだ歌っていた。
「ああ、音無よ」
 春華が正道に声をかけてきた。
「悪いけれどそろそろ替わってくれるか?」
「わかった」
 正道は彼女のその言葉にすぐに頷いた。
「今からな」
「悪いな、楽しく歌ってるのによ」
「いいのよ、それは」
 春華の今の言葉には未晴が返した。
「だって皆で来てるし」
「だからいいのか」
「いいのよ。はい」
 そうして春華に自分が持っていたマイクも差し出すのだった。
「好きな曲歌って。曲も入れるから」
「じゃあ大塚愛な」
 彼女が選んだのはその曲だった。
「それ歌いたいからさ」
「大塚愛か」
 正道は大
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