プロローグ
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紫の戦闘服の少女、治奈が、槍で、
さらに、緑の戦闘服の少女、正香が、鎖鎌の鎌で、
それぞれに、和咲を襲おうとする触手のようなヴァイスタの腕を受け止めていた。
ヴァイスタのもう一方の肩からも腕が打ち出されて、ぐんと伸びる先端にある裂け目が開いて和美の頭へと食らいつこうとする。
和美は軽くしゃがみながら、右腕を払って攻撃を跳ね上げた。
「この和美様をなめんじゃねえええ!」
青い戦闘服の少女、和美は両手に構えたナイフをそれぞれぎゅっと握ると軽く膝を曲げて、地を蹴った。足先から頭までを軸にくるくる回転しながら、ヴァイスタの懐へと自らを突っ込ませる。
ぶちゅぶちゅぶちゅと、ゼリーを手で握り潰すような音がしたかと思うと、和美はヴァイスタの背中側へと抜けていた。
「さっすが対ヴァイスタ用にバージョンアップされただけあんな、これ。楽々じゃん」
和美は着地すると、両手のナイフを見つめながら笑みを浮かべたが、それも一瞬、腰の両側にナイフを収めると前を向いて、
「さあて、昇天だ。……イヒベルデベシュテレンッ、ゲーナックヘッレ!」
二本のナイフに千切りのようにズタズタに切り裂かれ動きを止めているヴァイスタの背中に、和美の薄青く輝く右手がそっと触れる。
「くたばりやがれえ!」
ちち、ち、
魚の焼けるような音を立てながら、無数に切り刻まれたヴァイスタの肉体が元に戻っていく。映像をコマ飛ばしで逆再生しているかのように。
先ほどと同様、顔にあたる部分に小さな口が出来ていた。
その口の両端が釣り上がって、笑みと思われるような形状を作ると、続いて頭頂からキラキラ光る砂になって一瞬にして全身が消滅、空気に溶けて消えた。
「守ってくれてありがとう、みんな、和美ちゃん。助かった」
赤い戦闘服の少女、和咲が胸に手を当てて安堵のため息を吐いた。
「おう。全員にハナキヤのケーキ一個ずつな」
和美がにひひと悪戯っぽく笑った。
「ええーーっ! ……ハナキヤかあ。残り少ないお小遣いがあ」
天使の羽が生えて逃げていくう……
和咲はパタパタ飛んでいく財布を追うように、天へと手を差し出した。
「よし、それは後だ。和咲奢りの祝勝会の話は。残りをぱぱっと片付けちまおうぜ。あたしと治奈はあっち、正香と成葉はそっち任せた!」
青い戦闘服である和美と、紫の戦闘服である治奈、
緑の戦闘服である正香と、黄の戦闘服である成葉、
頷き合うと素早く二手に散開、ヴァイスタの集団へと飛び込んでいく。
「あ、あの、和美ちゃん、わたしは?」
一人残った赤い戦闘服の和咲が、きまり悪そうな笑みを浮かべて自分の顔を指さしている。
「お前はやっぱりまだ未
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